危険な客 ページ4
まさか警察官を辞めて…ないか?
「随分若いスね兄貴」
「何だ?お前もタイプか」
「えっ…それは」
大柄の男性が私をじっと見つめる。
服装と雰囲気からして見ん感じではないのは確実だったが。
「どうぞ」
「あ?」
隣にいる銀髪のお客様が狙い目ね?
「この度はうちの若いホステスがご無礼を誠に申し訳ありません。せめてお詫びに一杯ご馳走させてくださいませ」
「ほぉ?なら俺の飲みたい酒を用意しろ…できなければ」
上着の内ポケットに手を入れる。
ジャキ。
「あっ…兄貴!」
「ジン!」
私に銃口を向け不敵に笑う。
「お任せください」
銃口を向けられたからといって動揺しているようでは雇われママは務まらない。
「ほぉ?ギムレットか…若干色が違うな」
「はい…他の店では」
二人はグラスを見ながら一口飲む。
「美味い…同じギムレットでも味が違う」
「お褒めの言葉をいただき、光栄です。ホステスの嗜みですわ」
煙草を吸おうとする彼にマッチで火をつける。
他の店ではライターだけどエデンではマッチを使う。
「Aと言ったな」
「はい」
「今日はアンタの酒に免じてやる。帰るぞ」
「兄貴!」
そのまま代金を置いて去って行く。
「流石ママ!」
「お見事ですAママ」
気難しさはあれど悪いお客様ではなかった。
けれど気になったのは彼が一緒にいた事だった。
「あれぇ?何これ?」
「どうしたの友ちゃん」
「ママ、何も書いてないメモが」
「メモ?」
紙に触れると違和感が感じる。
――これは!
「ママ、毛利先生がお待ちです」
「えっ…ええ」
メモを握りしめ今は仕事に戻った。
そして店じまいの時間。
「お疲れ様でした」
「お疲れ様です」
店を出て行こうとすると。
暗闇の中で誰かに手を引かれる。
「なっ!」
「静かに…」
傍に置かれている車に無理矢理連れ込まれてしまった。
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killerハリケーン(プロフ) - とても、面白いです。更新楽しみにしてます (2022年7月27日 12時) (レス) id: 720db65644 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししゃも | 作成日時:2022年7月14日 14時