夜の街の事情 ページ18
かつて日本は世界一平和な国と呼ばれた。
だけどそれは遠い昔の話で今ではヨハネブルクと呼ばれるこの東都。
特に犯罪件数が多い米花町、杯戸町。
普通なら歌舞伎町、銀座の方が治安が悪いのだけど、今では銀座の治安は悪くない。
むしろ街中では治安が安全になっている。
その理由は裏を取り仕切るある組織と夜の街を守る私達の努力の賜物だった。
ただし警察はそんな事は知らない。
「銀座の犯罪件数が少ないね…」
「意外だったな」
「当然よ。銀座には警察が介入する前に厳しい規則と警備をしているから…まぁ表では警察のお手柄になっているのは癪だけど」
「えーっと、誰が?」
「うちのダンサー」
「ぶほぉ!」
朝一番にコーヒーを片手に新聞を読みながら気にも留めずに言い放つ私に景光は吹き出した。
「え?ダンサーって…夏樹さん達?」
「そうよ。銀座では多くの掟があるのだけど。守らない連中も多くてね。若いホステスを攫って売り飛ばす輩もいる。警察は私生児や身元不明の人間に真面に動いてくれない。ならば自分で守るべきだと思って親分衆に訴えたのよ」
「親分衆って何?」
「裏稼業のトップの集まり」
「そんなの人と付き合いがあるの!」
まぁ元警官からすればアウトだけど。
私は警察官である前に弁護士だったから理解はある。
「私は元弁護士よ?その手の伝手はあるわ」
「そうだけど…でも」
「言っておくけど一流のヤクザはちゃんとしているの。薬をしてないヤクザ組もあるんだから。警察が勝手な差別をしているだけ…結構紳士よ」
「待て待て!もしかして客だったりする」
「勿論」
何せ私に永久指名をしてくださった方は東西南北の裏稼業一家。
玄武組の組長さんなのだから。
「すごくいい男よ。ダンディーで話は解るし…優しいし」
「まさかやっちゃったの?」
「さぁ?」
お客様との事情は秘密だわ。
「さぁ、今日は休みだから買い物に行くわよ」
「Aちゃん…」
景光の戸籍を作って、変装道具も準備しないとダメだしね。
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killerハリケーン(プロフ) - とても、面白いです。更新楽しみにしてます (2022年7月27日 12時) (レス) id: 720db65644 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ししゃも | 作成日時:2022年7月14日 14時