【名探偵コナン】消えた元同期が銀座高級クラブのママになっていた理由！ (ページ15)

今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:20,328 hit

俺の知らない君～諸伏景光ページ15

「Aちゃん」

部屋を出た彼女を見つけながら居た堪れない気持ちになった。

「スコッチ」

「諸伏景光です」

「では諸伏君、君は彼女と親しいのか」

「おい…」

「彼はともかくだ、君に対しては深い愛情を感じる」

「僕を無視するな！」

俺がAちゃんにとって特別？

「彼女に出会った時は今のように冷たくはなかった。正義感が強く優しかった」

「Aちゃんは今でも優しいですよ。ただ解り辛いだけで」

「そうか、俺は彼女に嫌われている。いや失望されたが…」

アメリカで何が会ったか知らない。
でも俺が彼女に初めて会ったあの日から彼女は優しかった。

正義感が強くて、人の痛みに敏感で優しい。

「Aちゃんは周りをちゃんと見ている…誰かが傷つくなら自分一人で…そんな人だ」

「景…」

「だから今回も俺を守る為にこんな無茶を」

もし赤井さんが組織の人間だったら口封じに殺されていたかもしれないのに！

「俺が今も昔も情けないな」

「景光…」

「諸伏君、君はどうやって彼女の懐に入ったんだ。できれば知りたいんだが」

「赤井ぃぃ！貴様には道徳という言葉はないのか！彼女が弁護士を辞めて日本に帰国したのはお前から逃げたかったんじゃないのか！」

「酷いな」

頼むから喧嘩をするのは止めてくれ。
何でこの二人はここまで仲が悪いのか…いや零が嫌っているのか。

「何を騒いでいるの」

「Aちゃ…どうしたのその恰好」

「奥様に着替えるように言われたのよ」

着物が汚れていたから着替えたのは解るが、とても立派な着物に驚く。

凄く似合っている。

「綺麗だ」

「ありがとう。それより人の家で騒がないでくれる？奥様にも迷惑だわ」

「すなまい」

「それでどうするの？」

俺に選択権はない。

だけどまだ死ぬわけには行かない。

だから。

「お願いします」

「よろしい」

俺はAちゃんの抱えている物を少しでも一緒に背負いたい。
今は無理でも。

君の傍にいて苦しみを背負いたいと思う。