元公安の審神者は歩く人間国宝〜

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空から落ちて来たのは人形だった。

「もごもご！」

「いちまさん」

何故か普段私が着ている着物を着ている。

「カタカタ！」

「主！」

これはいちまさんの助けだったのだと気づく。


「おい、何しやがる主！」

「カタカタ！」

「何だ？何が気に入らねぇんだよ」

「カタカタ」

「あ？そこを動くな？」


何故だ。

どうしてこの刀は普通に会話してるの？

「あ？とっとと歩けだぁ？我儘だな。悪いが…」

「いいえ、私もここで失礼します」

文句を言いながらも肩に乗せて連れて帰るんだ？


思ったより優しいわね。


「主、助かったね」

「うん…でも」

いくら同じ着物を着ていてもいちまさんは眉毛が太いのに。

私の人形の姿と区別がつかないってどうなの？


「主さん、さぁ帰ろう」

「帰りましょう主君」


いちまさんを主と呼び私にアイコンタクトを取る。
流石短刀達はコンビネーションが素晴らしいわ。


「主、俺達もこっそり帰ろう」

「わぁ！」

「このまま走るよ」

蛍丸に抱き上げられる。
見た目は子供なのにすごい力持ち。


「忘れていたわ。蛍丸は大太刀だものね」

「楽勝だよ」

勝ち誇ったような笑みを浮かべるも、そんな笑顔も可愛い。


何だか私、危ない扉を開きそうだわ。


子供なのにかっこかわいいんだもん！


本丸近くに戻り人形の姿になって部屋に連れて帰ってもらう。

「帰ったか」

「切国」

「やっぱり騒動は起きたね」

もしかしてタイミングよくいちまさんが現れたのって？

「遠征から帰る最中に、兄弟から連絡が来た」

「堀川…」

流石お手伝いの達人。
時間を見計らい、替え玉を用意してくれたのね。

「これでアンタと同一人物とバレる心配はない」

「呪いの人形だが、中々話の解る奴だ」

二人共、いちまさんと仲良くなってる！


そう言えば、和泉守も会話が成立していた気がするんだけど。

気のせいよね？

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