元公安の審神者は歩く人間国宝〜

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赤井秀一さん。
私の名付け親で後見人であり、私の先生だった。


「しぇんしぇー！」

「この馬鹿…」


私はそのまま先生にしがみ付いた。

「うわぁぁぁん！」

「おい、大声を上げるな。待て…鼻水を」

「うわぁぁん！相変わらず煙草臭い…」

涙と鼻水でべちゃべちゃになりながらも無理矢理引き離すことをしない先生は相変わらず優しい。

普段はめちゃくちゃ厳しいのに。

「グズン…しぇんしぇー」

「とりあえず泣き止め。俺が苛めているみたいだろ」


「ハッ、この愚か者が。女の泣き止ませ方も知らんとは…ガキが」

「うるさいクソ婆」

「母親に向かってなんて口だ！」


私が先生にしがみ付いている間、静かに火花を散らしている事など知るはずもない。

そしてその間に立つミスターブラックがオロオロしていた事も知らないでいた。


一時間後、ようやく泣き止んだ私は病室で話し合いをすることになった。


「母さんに脅迫メールと脅しの電話が来たんだ。お前が危篤だと」

「へ？」

「半信半疑だったが、最近お前からメールが来ないのが気になってな？絵葉書も送ったが返事が遅かった」

「あっ…二週間ぐらい帰れないのがざらだったんで」

「いくら何でもそれはどうなんだい？」

ミスターブラックはFBI捜査官の指揮を取る立場なんだから解ってくれると思ったのに。


「髪も染めてしまったのか」

「目立つとよろしくないらしくて…でも、やっている仕事は内勤ばかりですよ」

「だが、無理な労働を強いられたんじゃないか？かなり痩せたな、クマも酷いぞ。なんと不細工な顔に」

「不細工…」

さりげなく酷いですね先生！

私は今精神的にも肉体的にも傷ついて…


ボゴッ！

「え？」

「何をする」

「貴様、年頃の娘に向かって不細工だと？いくら本当の事でも口にするな。せめてもう少し控えてやれ。本当の事を包み隠さず不細工等と言うな」

「メアリーさん…」

貴女も十分酷いです！

私の心か既に砕けそうですよ！

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