タフェフィリア ／ sha ページ8
ザク、ザク、と静かな山の中、スコップで土を掘り起こす音だけが響き渡る。その男は、独り。馴染みあるスコップでただひたすらに土を掘る。
｢……これくらいでええやろ、｣
ザクッ、と一際大きな音を立て、地面にスコップを突き立てる。完成したのは人一人入りそうな程大きな穴。彼は満足気に頷くと、自身の後方へと声を掛ける。
｢御前の為の穴やで、A。記念すべき10人目やからな、張り切り過ぎて掘りすぎてもうたわ。｣
男は楽しげに告げながら振り返る。木にもたれかかり眠っている女性。元い、彼の恋人だったものがそこには居た。彼はゆっくりと彼女へと近付くと、優しく頬を撫でる。冷えた頬が、スコップを握りしめ熱くなった掌を冷やしていく。
｢よし、それじゃ、そろそろ。大丈夫、御前は特別やからな。綺麗な墓も建ててやるよ。｣
にんまりと楽しげに微笑み、シャオロンは彼女を抱き上げる。そのままゆっくりと穴へと近付き、そっとできる限り汚れないように穴の中へと彼女を寝かせてやる。周りには彼女の好きだった桔梗の花を。綺麗に飾られたAは、昔と変わらず綺麗だった。
再びスコップを手に取ると、シャオロンは土をすくい彼女の足へとかける。土によって見えなくなった青白い足。ぞくり、昂る感覚。再び土をすくい、今度は腹部へ。彼女の白い服が土によって汚れる。無意識の内に、口角が吊り上がっていく。自身の思うがままに土をすくい、彼女を埋めていく。
｢ッはぁ〜。明日は筋肉痛かもしれへんな。｣
彼女の姿が隠れ、穴が綺麗に埋まった頃。シャオロンは満足気に彼女の眠る場所を見つめては達成感に浸っていた。この行為を行うのは彼女で10人目。彼にはもう慣れきったこの行為も、愛する彼女を埋葬することはこの世の何よりも興奮した。
｢やっぱり此奴が一番の女やったな。｣
ぽつり、呟くと、彼女の頭付近に当たる場所に小さな木の板を立てる。後日、此処に墓を作ってやるのだ。荷物をまとめ、シャオロンは軽い足取りで険しい山道を下っていく。
さて、次はどんな奴を埋葬してやろうか。やっぱり今まで埋めたこと無いような奴がええよなぁ。小学生とか。気が付けば彼の頭は既に次の標的の事でいっぱいで。
彼はまた、罪を重ねるのだろう。静かな山の中、暗闇に包まれながら相棒のスコップと共に。
─
タフェフィリア：埋葬愛好。葬儀や埋葬行為への性的嗜好。
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平凡な人(プロフ) - うん。凄い。性癖にドストライクで刺さりました!更新楽しみにしています！ (2022年2月3日 20時) (
レス) @page9 id: 244f5e227a (このIDを非表示/違反報告)
空白(プロフ) - めちゃくちゃ好みです！！毎回更新楽しみにしてます♡ (2022年1月26日 10時) (レス) @page22 id: 765b91b6bf (このIDを非表示/違反報告)
りんごうまい - ところどころ性癖に刺さった (2021年10月21日 23時) (レス) @page20 id: ef60100ca2 (このIDを非表示/違反報告)
たらい(プロフ) - ど趣味でえぐいっすふファンになりやした (2021年8月1日 0時) (レス) id: 0b993ff198 (このIDを非表示/違反報告)
R(プロフ) - 好きです!! (2021年6月13日 14時) (レス) id: f606088b79 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：悲哀 | 作成日時：2021年5月28日 19時
