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『他とは違う何か』 ページ8

土方side




『またいらして下さったのでありんすね。』


「ああ。」







部屋に入って来た俺にそう声をかけたのは、変わらずの美しい容姿をした千早太夫だった。


初会の日は殆ど会話もなく目が会う事もなかったが、今はそうではなく少しずつではあるが確かに距離は縮まっていた。









『何で十四郎様はあちきをお選びになったのでありんすか?』


「あァ?」


『ここの中には生涯かけても全員と酌は出来ぬ程遊女がいる中で、どうしてあちきを....』








どうしてと言われれば檜山の情報を引き出すために言われてやった事である。ただそれをそのまま伝えるのはやってはならない事だ。







「さあな。ただ....」


『ただ?』


「__他の女よかテメェがいい。そうは思う」







これは事実であった。遊女なんざここには腐る程いる。外に出りゃ俺に寄って来る女もいる。それらを良いとは思わなかったが







「(此奴は他とは何か違う)」






具体的に何が違うとはっきり言えるものはなくて。でもこうやって情報を聞き出す為に近づいた相手が他の面倒くさい遊女ではなく、此奴で良かったと心の何処かで心底そう思えるのだ。



波長があうと言うのだろうか、受ける前はあんなに嫌がっていたこの仕事もいざ此奴と対面して話を重ねる内に嫌ではない事に気付いた。







『そうでありんすか。』







そう言った千早太夫の表情は少し柔らかいものになった。此奴のこんな表情は初めて見る








『そう言って頂けるとあちきもこの仕事をしていて良かったと思えるでござんす。』


「...素直に嬉しいって言えばいいのに。」


『何をおっせえすか。あちきは常に素直でありんす。』








千早太夫はこほんと咳払いをして、空になっていた酒を注ぎ直した。

『切れるには勿体ない』→←『調子が狂う』



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絹紗(プロフ) - クリームチーズさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2019年8月22日 10時) (レス) id: 19a58175b5 (このIDを非表示/違反報告)
絹紗(プロフ) - もりこさん» ありがとうございます!励みになります〜! (2019年8月22日 10時) (レス) id: 19a58175b5 (このIDを非表示/違反報告)
クリームチーズ(プロフ) - 私も今日初見で来たのですが、本当に好きなお話です!更新楽しみにしてますので、頑張って下さい!!!! (2019年8月21日 22時) (レス) id: 7b6c8b39e8 (このIDを非表示/違反報告)
もりこ(プロフ) - 今日初めて拝見したんですが、とてもいいお話ですね!土方さん大好きなのでとても嬉しいです!続きがとても楽しみです、更新頑張ってください! (2019年8月21日 20時) (レス) id: b540dd18b2 (このIDを非表示/違反報告)
絹紗(プロフ) - Decemberさん» コメントありがとうございます!気付けば話が重くなってしまってました笑、更新頑張ります! (2019年8月18日 7時) (レス) id: 19a58175b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絹紗 | 作成日時:2019年8月3日 22時

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