『触れ合った手は』 ページ43
土方said.
『お待ちどうさまです。』
二人に沈黙が訪れた時、タイミングが良いのか悪いのか俺の腹が鳴って夕飯をAが住んでる茶屋ひのやで頂いた。
帰らずにこうやって同じ食卓を囲めるのは前からすれば想像もできなかった事で少しむず痒くはあるがそれを嫌だとは思わなかった。
「他の奴らはどうしたんだ？」
『さあ、夜ですから月詠は百華の方に居ると思います。晴太と美濃は日輪と出かけたのでしょう...多分。』
「...気使わせて悪いな。お前も仕事があるのに。」
『全然大丈夫ですから！気使わないで下さい！』
作って貰ったご飯はとても美味しく、マヨネーズがなくてもペロリと食べきった。
「美味かった、ありがとな。」
『...〜っ...お粗末さまでした』
お礼を言えば本当に嬉しそうに笑うもんだから、此方まで笑みが零れた。こういう雰囲気は慣れておらず小っ恥ずかしくなり、彼奴から目を逸らせば笑われてしまった。
『お皿下げますね。』
「手伝う」
『あっ、すみません...』
ラブコメか、何処ぞの少女漫画かと思うだろうがお皿を下げようとするAの手と俺の手が触れ合ってお互いの顔が赤くなった。離したくないな、そう思うより先に勝手に触れた手をぎゅっと握った。
『...土方..さん...？』
「ただいまー！あれ？どうしたの？」
声を発しようとした時、扉が開きお互い慌てて手を引っ込めた。音をした方を見れば、餓鬼が二人と車椅子に乗った女性がいた。
『おかえりなさい。3人とも』
「大丈夫でありんすか？A姐様顔が赤いでありんす。」
『えっ...だ、大丈夫！全然！本当に！』
餓鬼に心配され、さっきよりも更に顔を赤らめて否定していた。長居するのも悪いかと思いわたわたと焦っているAに一声かければお見送りしに外まで出来てくれた。
「中にいろ、夜は冷えるぞ。」
『少しくらい大丈夫ですよ、心配症ですね』
「...じゃあまたな。」
『...ええ、また。』
初めて次の約束をした夜だった。
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絹紗(プロフ) - クリームチーズさん» コメントありがとうございます！更新頑張ります！ (2019年8月22日 10時) (
レス) id: 19a58175b5 (このIDを非表示/違反報告)
絹紗(プロフ) - もりこさん» ありがとうございます！励みになります〜！ (2019年8月22日 10時) (レス) id: 19a58175b5 (このIDを非表示/違反報告)
クリームチーズ(プロフ) - 私も今日初見で来たのですが、本当に好きなお話です！更新楽しみにしてますので、頑張って下さい！！！！ (2019年8月21日 22時) (レス) id: 7b6c8b39e8 (このIDを非表示/違反報告)
もりこ(プロフ) - 今日初めて拝見したんですが、とてもいいお話ですね！土方さん大好きなのでとても嬉しいです！続きがとても楽しみです、更新頑張ってください！ (2019年8月21日 20時) (レス) id: b540dd18b2 (このIDを非表示/違反報告)
絹紗(プロフ) - Decemberさん» コメントありがとうございます！気付けば話が重くなってしまってました笑、更新頑張ります！ (2019年8月18日 7時) (レス) id: 19a58175b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絹紗 | 作成日時：2019年8月3日 22時
