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『親子の絆』 ページ25

日輪の部屋の前に着いた時には、既に鳳仙も晴太も居た。


そして無造作に床に投げ捨てられた、女の髪束。晴太の生みの親のものだった。晴太は知ったのだろう、日輪が自分の母ではない事を。それでも彼は日輪を救い出そうと開かない扉に体当たりを続けた。









「おいおい、聞いてねェぜ。吉原一の女がいるって言うから来てみりゃよ、どうやらコブ付きだったらしいね。」








木刀が扉に刺さり、扉が開くようになる。晴太はゆっくり扉に手をかけた。








「店長、チェンジで。どぎついのにも耐えられる奴をよ。」


「貴様、誰だ。」


「何、ただの女好きの遊び人よ」


「時に千早、何故お前はここに居る?まさかお前まであの女を助けに来たと言うのではあるまいな。」


『そのまさかでありんす鳳仙様。日輪の禿だった故、あちきには肝が座っているのでありんす。』


「ふん、愚かだなお前も。」









鳳仙とのやり取りの奥で日輪と晴太が抱き合う姿が見られた。あの親子が幸せでいられるのなら、私はそれだけで十分だ。








「貴様がわっぱの雇った浪人か。...血の宴を開いてやるわ。」



「ジジイの生え際見ながら酒飲んでも何にも美味かねェ。どんだけ別嬪さん集めようが、どんだけ美酒があろうが、俺はテメェの国で酒は一滴たりとも飲まねェ」







女の涙は酒の肴には辛すぎると言う銀時の声の後にずっと傍観していた朱色の髪を持つ青年が話に入ってきた。彼も夜兎なのだろう。







「たかが酒一杯の為に夜王に喧嘩を売るとは地球にも中々面白いやつがいるもんだね、鳳仙の旦那。」






そういい鳳仙の肩を叩いた青年。それが気に喰わなかったのか彼の手を退けるようにして柱を壊した。







「神威、貴様何が目的だ。わしを殺そうとした次は童の手助け...そうまでして邪魔をしたいか。

母を求める童の姿を見て遠き日でも思い出したか。病の母親を捨ててきたお前が罪滅ぼしでもする気になったか?」



「夜王を腑抜けにした女、一体どれほどの女かと思えばボロ雑巾に縋るただの惨めな女とは...吉原の太陽が聞いて呆れる。

違うんだよ、俺の求めている強さはこんなしみったれた物じゃない。」







鳳仙が黒のマントを脱いだ。それが私の隣に落ちたと思った時には、銀時は扉から木刀を抜き取り、鳳仙は傘を抜いていた。

『命張ってでも守りたいもの』→←『本物の夜兎』



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絹紗(プロフ) - クリームチーズさん» コメントありがとうございます!更新頑張ります! (2019年8月22日 10時) (レス) id: 19a58175b5 (このIDを非表示/違反報告)
絹紗(プロフ) - もりこさん» ありがとうございます!励みになります〜! (2019年8月22日 10時) (レス) id: 19a58175b5 (このIDを非表示/違反報告)
クリームチーズ(プロフ) - 私も今日初見で来たのですが、本当に好きなお話です!更新楽しみにしてますので、頑張って下さい!!!! (2019年8月21日 22時) (レス) id: 7b6c8b39e8 (このIDを非表示/違反報告)
もりこ(プロフ) - 今日初めて拝見したんですが、とてもいいお話ですね!土方さん大好きなのでとても嬉しいです!続きがとても楽しみです、更新頑張ってください! (2019年8月21日 20時) (レス) id: b540dd18b2 (このIDを非表示/違反報告)
絹紗(プロフ) - Decemberさん» コメントありがとうございます!気付けば話が重くなってしまってました笑、更新頑張ります! (2019年8月18日 7時) (レス) id: 19a58175b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絹紗 | 作成日時:2019年8月3日 22時

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