研究ファイル１２８ ページ11
任務終わりにルートを外れて
山奥へ、地図上には何もないはずのそこには死体が点々と散らばっており
視線の先には倒壊した建物がある
そんな瓦礫の上に大量の死体を積み上げて座り込むのが…
「お久しぶりです、恩師様ーいつ見ても無茶苦茶ですねー」
「あらあら、久しぶり
私の可愛い可愛い愛弟子ちゃん
さあさあ、いらっしゃい」
肩に載せた雲スズメにパンくずをあげて
ピクニックでもしているような様子のミーの恩師様は
さも当然のように積み上げられた死体の隣を居心地のいい草原みたいに叩いてミーを呼ぶ
仕方なく、そこまで足を進めて座り込めばミーの被り物を外して頭を撫でてきた
「元気そうで何より…やっぱり、愛弟子が元気にやってるってのは師匠として嬉しいね」
「そーですかーそりゃ、よかったですー
あっ、これミーからのプレゼントですー」
布袋を渡す
中身は霧と雲のリング…とは言ってもどれもＣランク以下ばかりだから
この恩師様のことだから数日の内に文字通り使い潰すだろう
「愛弟子からのプレゼントなんて嬉しいね…消耗品だからありがたい」
「普通、リングは消耗品じゃありませんよー
恩師様が規格外なだけですー師匠も言ってましたよー…昔はー」
「そうね、昔ね
……寂しいね、誰も覚えてないってのは」
「……」
ミーがこの恩師様に会いに来る理由
この人が“全てから忘れられている”から
ミーとあと、ほんの少しの人間だけが恩師様を今も覚えていることを許されているから
この人が…未来のためとか、皆の幸せのためとか…格好つけて後悔しているから
そんな感じ
「いい加減、そんなに後悔するなら戻ってこればいいのにー」
「そうね…でも、放浪娘が帰ってきたらお説教が鉄板じゃない？
叱られるのは嫌ね、この歳にもなって」
「…本心はー？ってか、カレシさんはー？」
「あーっ、考えさせないでよ…
そうね、そうね…あの弱っちくてへなちょこで、駄目駄目なボスがさ…
頑張ってるのに私が楽するって駄目でしょ…意地よ、意地…
カレシさんはね…あー、やっぱ駄目だ…戻ったら咬み殺される…勘弁だわ」
寂しさを紛らわせるためにその元凶をこんな風に潰しては積み上げて
未練がましく己の匣兵器“雲雀”を愛でて
いつ見ても、この人は寂しそうだった
研究ファイル１２９→←設定 ―In Zehn Jahren―
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雹翠緋耀(プロフ) - 沙流さん» 一気に読んで頂けるなんて…！ありがとうございます！展開にドキドキして頂いたり夢主ちゃんが可愛いと仰って頂けてとても嬉しいです。沢山のお褒めのお言葉舞い上がりそうです！体にも気を付けて出来るだけ頑張って更新致します。お待ち頂けますと嬉しいです。 (2018年9月22日 1時) (
レス) id: 086e138169 (このIDを非表示/違反報告)
沙流(プロフ) - 今は季節の変わり目ですし、体調等お気をつけ下さい｡連コメすみません、更新楽しみにしています！ (2018年9月20日 17時) (レス) id: e92f855c73 (このIDを非表示/違反報告)
沙流(プロフ) - うっ……素敵で表現も綺麗で一気読みしてしまいました…！ まさかこんな展開になるとは思ってもいなかったので、今もドキドキしています。そして何より夢主ちゃんが可愛い｡最高です。私の求めていたものはここにあったのか……！！→ (2018年9月20日 17時) (レス) id: e92f855c73 (このIDを非表示/違反報告)
雹翠緋耀(プロフ) - 五月七日さん» コメントありがとうございます！お返事遅くなってしまい申し訳ありません…安定した更新はできないとは思いますが出来るだけご期待にそえる様、頑張ります。 (2018年9月7日 2時) (レス) id: 086e138169 (このIDを非表示/違反報告)
五月七日(プロフ) - 好きです！凄く好きです！凄く面白いし応援してます！更新待ってます！ (2018年8月23日 14時) (レス) id: 5bf48274f0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雹翠緋耀 | 作成日時：2018年2月19日 23時
