隣の席の子は女の子じゃなかった件について-3 (ページ37)

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「とまぁ、話しが反れたが、今回の件は本当に悪いと思ってる」

『いや、まぁ…多少なりとも覚悟はしていたんですけどね、いざ体験すると貴方達の世界の怖さを痛感しました』

腕の中で疲れたのか眠たそうな菫の頬を撫でながらキュっと下唇を噛む

「あぁ、後の事は俺達に任せればいい、暫くはこの周辺に見張りを付けておく、何かあれば直ぐに蘭か竜胆に言え」

『そこまで…』

「言っただろ、俺なりにケジメを付けさせてくれって…菫も椿も慣れない思いをしたんだ、今日はいっぱい甘やかしてやればいい」

『・・・はい、そうします』

「ふっ、俺達は後処理があるから抜けるが…蘭、お前はどうする？残るか？」

蘭君の目が私に向けられ、暫くの間沈黙が続く

「A、俺さ…本当お前達と残るのが正解なのかもしんねぇけどさ…今回の件についてはマジで腸煮えくり返ってんだわ」

『…うん、私も蘭君と同じ気持ちだよ』

「だから俺は組織の幹部としてだけじゃない、父親としての落とし前を付けたいんだ」

『わかった、高橋さんにはこんな気持ちを抱きたくなかったけど…どんな結果であれ私は現実を受け止めようと思う。』

その言葉に蘭君が一瞬目を見開く

「ふっ、本当いい嫁さん貰ったな蘭」

「肝が冷える事をするのが玉に瑕だけどね」

それじゃぁ、行ってくると蘭君たちを見送ってから零れるため息

「ママー…？パパと、イザナは…？」

眠たい目を擦りながら私の元に訪れた菫の視線に合わせて頭を撫でる

『ちょっとお仕事があるからパパ遅くなるって』

「んー…でもパパ大丈夫、かな？」

『え？』

「俺のこと、助けてくれた時…頭の後ろ打たれてて…怪我してたから」

『あはは…多分大丈夫じゃないかな？あの人あぁ見えて凄い頑丈だから』

どうにか誤魔化そうとすると、菫はクスクスと笑う

『菫？』

「ママ、パパと同じ事言ってる」

『ふふ、変な所似ちゃったかもね！』

お互いに笑いあっているとグーッとなる大きな音

「…俺、お腹空いた」

『ふふ、今用意するからお風呂入ってらっしゃい？』

「はーい」

椿もお腹を空かせたのか聞こえた泣き声、急に賑やかになる空間にやっと終わったんだと涙がでたのはここだけの話