ある春のこと ページ48
橙side
お互いにくすっと笑って
差し出された手を繋ぎ合わせる
黒「じゃあ今日は先に帰るね」
青「康二のことちゃんと家まで送れよ」
黒「任せといて」
黒橙「またね！」
手を繋いで歩いていく俺らの前に
どこからか飛んできた桜の花びらが
俺たちが進む道をピンク色に染めていく
橙「あ、めめに言わないかんことある」
黒「ん、なに？」
橙「俺がめめを見つけた時のこと聞きたい？」
黒「それすっごい聞きたかったやつ」
橙「俺がめめを見つけたのはな…」
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
橙が2年生の4月
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
桜並木が続く長い坂道
桜の花びらが白い渦のように咲き溢れる
新しい学年が入学してくる
新しい出会いの季節
春
いつの日か貰った
桜の花びらが入った箱を持って
桜の木を見上げる
また俺の大嫌いな春がきた
今年もこれからもずっと変わらないのだろう
春への気持ちも
心の中にある深い傷もなにも変わらない
桜の木から視線を落として
多分信じていい友達の元へ戻っていこうと
後ろを振り向く
橙「…… 綺麗」
1人坂道を上がっていく人
初めての出会い
初めての気持ち
この人が俺を変えてくれるかもしれない
何故かわからないけど
どうしてかわからない
でもほら、俺の言葉に返事をしてくれているように
数え切れないくらいの花びらが
俺の周りを囲っていく
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
黒「俺と同じだね
俺も入学式に桜の木の下にいる康二を見て一目惚れしたんだ」
橙「一緒やな」
黒「俺ら出会う運命だったのかもね」
橙「運命か…」
黒「康二と出会えて良かった。ありがとう。」
橙「俺も、見つけてくれてありがとう」
繋いでいた手がぎゅっと強く結ばれる
離さないように
離れないように
9枚の桜の花びらが
見上げた空からひらひらと落ちてくる
これからみんなが進む道を
示してくれているかのように
太陽の光に照らされて
俺たちの心に優しく触れてきてくれた
黒「素敵なお家が見つかるといいね」
橙「せやな」
たくさんの星が空に浮かんでいるように
優しい色をした桜が何枚も飛んでいくように
これから歩いていく道で
幸せをたくさん掴めますように
みんな、俺な…
＿＿＿＿＿ 春が大好きになったで。
.
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つみき(プロフ) - まいまいさん» 私自身もこの9人の話を書かないとなると本当に寂しいです(T ^ T) 更新が滞ったこともある中、最後まで見守っていただきありがとうございました☺︎ (2021年10月21日 8時) (
レス) id: 43a3405b0e (このIDを非表示/違反報告)
つみき(プロフ) - ひらめさん» ひらめさぁぁぁん！もうこれからも神に近づけるように頑張ります！ありがとうございます☺︎ (2021年10月21日 8時) (レス) id: 43a3405b0e (このIDを非表示/違反報告)
つみき(プロフ) - みかんさん» 私自身優しくて暖かい話になればいいなと思っていたので、そう言っていただけて本当に嬉しいです(T ^ T)最後まで読んでいただきありがとうございました☺︎ (2021年10月21日 8時) (レス) id: 43a3405b0e (このIDを非表示/違反報告)
つみき(プロフ) - はるさん» 最後まで読んでいただきありがとうございますm(__)m これからもよろしくお願いします☺︎ (2021年10月21日 8時) (レス) id: 43a3405b0e (このIDを非表示/違反報告)
まいまい(プロフ) - 完結お疲れさまでした。いつも楽しみに更新待ってました。終わってしまうのは寂しいですが最後まで楽しませて頂きました。ありがとうございます。 (2021年10月21日 7時) (レス) @page50 id: f6f271f679 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：つみき
| 作成日時：2021年7月31日 19時
