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冷たさの落差で風邪引きそう ページ15

一年ぶりの再開をそんなことで片付け、焦って前後左右を見渡す。

携帯依存症ですしね。

「屋上で寝てた、見つかった、連れてきた。携帯はそこ」

低身長の俺に確実に届きそうにない場所に置かれている携帯に目をやり、呟く雲雀。

やっぱ最低だわ。

「届かない」

「そうでもしなきゃ駄目でしょ?」

「…取ってよ」

「嫌」

短文同士で口論する二人。

最終的には俺が折れたのか単に眠くて切り上げたかったのかはさてとして、諦めた。

「白い学ラン、ちゃんと着ておいてよ。風紀委員でしょ?」

俺の白ラン(予備)を渡され、確認を取られる。

「げっ…覚えてる?」

ついつい雲雀に問い返す。

小学生の頃から並森仲の風紀委員扱いされ、更には別途の待遇を採られていた。

「初音は有能な人材だからね。明日から書類纏めてもらうから。」

「そう言う勝手な事言うの直せ。マジ直せ」

「ゲーム三昧の初音もね」

「ぁう…」

軽々しく指摘しては躊躇なく返され、項垂れる。

「・・・寝る。起こしたら刺すから」

捨て台詞のように吐き、ソファーで横になる。

捨て台詞が移っているような気がした。

何かを掛けられた感覚があるが、その際それは無視して寝る。

「…おやすみ」

懐かしい感覚に陥りながら。


次に目が覚めたのは、昼頃だった。

また学ランが掛けられていたみたいで、仄かに洗剤の香りと数年前と変わらない雲雀の香りがする。

(委員長、良い香りだなぁ…って、俺は変態かよ)

余分な思考を外に流しつつ、学ランを畳んで机の上に置こうとした。

その際、一つの紙が目に入った。

「もしかして、漫画で良くある君に託したってやつ…な訳ないか」

虚しく一人で茶番を挟んでから、内容を確認する。

手紙の内容はこうだった。

"今日は書類は免除するし、授業は出なくてもいい。ゲームしてても良いからそこにいてよ。掛けた奴は横に置いて。
追記 外には見張りがいるし窓から出たら咬み殺す"

一瞬固まり、二度見直しても内容が変わらず落胆する初音。

(まてまて窓から出ようとしたら咬み殺されルートまっしぐらじゃん!あっぶな。)

その後窓から脱走しようとしたため、冷や汗をかく。

完全に刷り込みなのだろう。

「兎に角、適当に羽織れば良いよね。・・・ご丁寧に腕章まで用意されてるし」

呆れながら呟き、勢い良く羽織る。

その直後横にあった携帯を取りアプリを開いた。

コーヒーに砂糖を入れすぎると逆に美味しくない→←今北産業はそろそろ古い?



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作者名:菫青 | 作成日時:2019年9月18日 19時

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