神出鬼没 ページ26
林檎が無いのでカルラさんから箱で貰ったさくらんぼで代用して、さっと洗ってから二パック皿に乗っける。
カルラさんが相当良質だと言うのだから間違いなく美味しいのだろう。
もう一つ皿をとり、まとめて二階へ持っていく。
体感は約三分くらい、そろそろ情報の提供も出しきれたことだろう。
扉を開けるとそこには。
「ほい詫びの…お前何してんの」
そこにはパソコンを操作しているディノさんがいた。
間違っても雪国ではない。
「いや、いかにも危なそうなサイト開いてただろ?心配になったんだ」
「パスワード、どうやって解いた?」
パスワードは林檎なのだから(意外性的な意味で)絶対にわかるはずがない。
「スリープモードでどっかいくのは感心しないぞ」
あ、完全に忘れてました。
「把握。何見たよ」
「マフィアのサイト?っぽいのだったな」
完全に見られてて草も生えないこの状況、どうしたらいいものだろうか。
「ボスはあんたまでこっち側に来て死なねぇか心配してたんだぜ」
ロマさんがお主も悪よのう的な言い方で言ってくる。
ああ、そういうことか。
「…まだ気にかけてくれてるんだね」
「そりゃ、短いとはいえ妹みたいな存在だしな」
「そういうこと思ってると後ろからぶっ刺されるかもしれないでしょ?俺は恩義とか気にしない駄目人間なんだからさぁ。そらどいたどいた、俺は確認せにゃならんのだよ」
「いてっ」
自嘲気味に笑いながら思いっきり警告する。
そのままディノさんを軽く叩き、机に皿をおいてからPCに向き直る。
しばらく離席していた間にそれなりに多くの情報が集まっていたので、それらをやや厳選しつつ礼を言った。
「んでねー、ディノさんにロマさん。何か知りたいことある?今なら無料で提供してあげるけど」
「確かに本来の目的はそれだったよな。林檎でいいか?」
林檎。
ただで良いって言ったのに林檎くれるのか。
自然に口元がにやける。
カルラさん含め俺の知人がくれる林檎に外れはない。
「貰えるものは貰っとく。で、何がほしいの?」
「顔がにやついてるぞ」
茶化すようにして聞こえる高めの声。
「うるさい!仕方ないだ…え?」
条件反射で文句を言ってしまったが、思わず振り返った。
閉じていたはずの窓。
その窓枠に小さなヒットマン…リボーンが堂々と不法侵入していた。
「リボーン、遅かったな」
「いや不法侵入の方につっこめよ」
「もう慣れただろ」
「慣れたくなかったねほんっと!」
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:菫青 | 作成日時:2019年9月18日 19時