まちがいさがし 2 - Yuta.Kishi - (ページ19)

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" そっちのが好き。"

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方言のこと、ってのはわかってる

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でも、そんなに綺麗な瞳で言われると

勘違いしてしまいそうになる

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『......それと、』

「？」

『私も.......、ごめん。』

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私の言葉に岸くんは

ドア付近からベッド脇に座る私に近づいてきて

床に膝をついた

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岸くんに下から覗き込まれる私

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絡んだ視線を逸らしたのは

私だった

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『いっぱい誤魔化して、曖昧にしてごめん。』

「........、」

『下の名前で呼ばなかったのは、

恥ずかしかったのと、申し訳なさ。

岸くんが汚れていく気ぃして。』

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どんどん震える声と

膝の上の乗せている両手

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嫌われたくない

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今更ながらにそう思う私は

岸くんがこっちを見ていることをわかってて

顔をあげなかった

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『文化祭の時もね、ほんまは1人じゃなかった。

岸くんが歌ってる時、廉と一緒にいた。

そのあとも、ほんまは廉と.....っ、』

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ふわっと香ったボディーソープの匂い

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私の後頭部に乗せられた大きな手

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『き、しく「知ってた。」......え？』

「Aちゃん探してた時、たまたま見た。

中庭で廉と喋ってたとこ。」

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見られてた

そして、多分、聞かれてた

私の関西弁

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「さすがに幼馴染みとかはわかんなかったけど。

ただ、お互いに大事な存在で、

俺の隠したいってことはわかった。」

『っ、』

「.......だから、Aちゃんの嘘だって

俺最初からわかってたよ。」

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＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿1人だったよ

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どうして、

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なんで、

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『なんで.......、』

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ほんとに？って言ってくれたら

なんで嘘つくんだよって責めてくれたら

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私が困った顔すれば

岸くんはそれで苦しまないですんだはずなのに

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「........受け止めたくなかった。」

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岸くんは今まで聞いたことの無い

か細い声でぽつりと言葉をこぼした

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