どこまでも -Sho Hirano-

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体育大会の予行練習の時も


平野くんを探しては自分で勝手に落ち込む日々





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リレーの所に並んでたから出るのかな...





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そんなこんなで


体育大会当日になった





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"借り物競争に出場する生徒は入場門に集まってください。繰り返します... "





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『私行ってくるね。』





「頑張れ！」





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隣にいたあおいにそう言って


入場門に向かう





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『えっと...、2年の列どこ...。』





「こっちだよ。」





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後ろを振り向くと


係のじんくんがいた





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『ありがとう！』





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そう言って列に行こうとした時


ずっと聞くことのなかった声がきこえてきた





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「神宮寺ー、俺どこー？」





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私に気づいていないのか


じんくんとの距離をなくしていく





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『紫耀はあっち。』





「ありが....、え、あ。」





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私に気づいた平野くんは少し困っていて


私も気まづくて下を向く





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リレー...じゃないのか


勘違いしてたのかな





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「頑張ってね。」





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顔をあげると


平野くんは私に笑いかけて


そのまま列に並んだ





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たったそれだけなのに


嬉しくてたまらなくて





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私に向けられたあの表情が


脳裏に焼き付いていく





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「出場する予定の子捻挫したから

補欠なんだって。」





『そ、そうなんだ...。』





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って事は走ってるところも見れるんだ...





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隣のじんくんは


私をみてニヤニヤしてくる





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『な...なに。』





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仲良くなったから最近とれた敬語で聞く





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「...今日は素直になってもいいんじゃない？」





『どういう意味？』





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さぁ、なんてはぐらかすじんくんを


不思議に思いながら私は自分の列に向かった





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