5. you side ページ5
生活への慣れから生じた気の緩み。
おかしな視線を感じるようになってから出来るだけ気をつけていたのに、注意がおざなりになってしまった。
どうしてこんな夜遅くに一人でコンビニに行こうなんて思っちゃったんだ。
小腹が空いた、と軽率に外へ出た数分前の自分を叱りつけたい。
コンビニでおやつを手に入れ、ホクホクと帰ろうとしたところをコンビニ横の薄暗い路地に引きずり込まれた。
人ってびっくりすると声出せないんだな、とされるがままに引きずり込まれた自分を思い出す。
壁に強い力で押さえつけられ、身体を触られそうになったため声を上げようとしたが、それを察したのか口を片手で抑えられた。
必死に暴れたら萎えてくれるかな、と出来る限り抵抗してみたが、むしろ火に油だったようでひっぱたかれた。
だからといって萎縮しては思う壺だと思い、今もまさに抵抗を続けている。
抵抗の数だけ降り注ぐ痛み。
男と女の力の差なんて歴然で、抵抗の力もどんどん削られていく。
どうしたものか、と現状の打開策に思考を巡らせていると、ふいに口に当てられていた手がなくなった。
「っだ、れか！たすけ…っ」
必死に絞り出した声は首に当てられた男の手によって阻まれる。
ギリギリと締め付けられる首に呼吸が苦しくなる。
酸素を求めて男の手を離そうと爪を立てるが、より強い力で締め付けられた。
気絶でもさせて大人しくさせようって魂胆かな。
このままでは本当にまずい。
だれでもいい、だれか、だれかたすけて。
カタンッ
ほのかにコーヒーの香りが漂う。
視界の端で、何かが落ちるのが見えた。
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ソル(プロフ) - 凄く面白いです！更新楽しみにしてます！ (2017年5月29日 18時) (
レス) id: ed08a08e21 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 表現の仕方がすきです。更新待ってます (2017年5月8日 0時) (レス) id: 40f03127af (このIDを非表示/違反報告)
雨ノ宮心音(プロフ) - 実在する人物なので、オリジナルフラグを外した方がいいですよ！違反報告されます。 (2017年5月7日 22時) (携帯から) (レス) id: 665a044116 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きのさん
| 作成日時：2017年4月4日 22時
