p.2 ページ17
次に向かった先は、大浴場だ。
「ココが大浴場！！」
その名の通り、だだっ広い。湯口は黒光りで目が鋭い牛で、いかにも『黒の暴牛』といった感じだ。
そして何故か浸っている。
俺は暑苦しいから遠慮したんでぇ。
次の廊下の天井に禍々しく光る黒い矢が、3人を威嚇するように光る。
「こっから向こうは女共の部屋だ。
男が入ったら罠トラップ魔法で死ぬぞ！！！」
「えええ！死ぬの！？」
「アスタ、嫌なら先に行かないよう気ィつけろよ」
次にーーーー
「ここがトイレだーーーーっ！？！？」
「殺す」
なんと開けたトイレはヤミが使用中だったのだ。
「「すみませんでしたぁぁぁぁあ！！！」」
脱兎のごとく一目散に去る馬鹿二人。
反動でそのまま閉まった扉の横でカイコクはヤミに言う。
「おはようございやすヤミさん。ちなみに俺ァ何も知りやせんし、見てなかったんで」
「ああ、お前に免じてそういう事にしてやる」
「んじゃ、また後で」
カイコクは二人が走って行った廊下を箒に乗ったまま猛スピードで追いかける。
つづいて向かった先は檻に入った猛獣達が唸り声をあげていた。
「そしてココは猛獣の部屋！！」
「何で！！？」
吠える猛獣達に負けず劣らずの声で、マグナにツッコミを入れる。
「ヤミさんの悪趣味でぃ」
「アスタ、てめぇに飼育係の担当を譲ってやる。しっかり面倒見ろよー？」
アスタは肉をゆっくり近づけていく。次の瞬間、頭から噛み付かれたアスタ。
新人いびりの恒例の一つなので気にしない。
「うおああああああああああ」
「はーーーっはっはっはっ」
大声を上げながら走る二人のあとを箒でついて行くカイコク。よく朝からこんな声量が出せるものだと不思議でしかない。
「そしてェェェー…」
マグナが言葉を止める。
彼らが走っていた先に、誰かががこちらへ歩いてきていた。
「ん？あいつァ確か…」
あの時、傍観してた銀髪の少女だった。
三人は足を止める。
「テメーこんなトコにいたのか。オイ、アスタ。
オマエの同期だ今年のもう一人の入団者」
「えッ！！」
同期という素敵な響きに、アスタは目を輝かせる。
「オレ、ハージ村のアスタ！
一緒に切磋琢磨して頑張ろうぜえ〜〜〜〜〜」
アスタの差し伸べた手は、容赦なく叩き落とされた。
「気安く話しかけないで」
彼女は見下ろすようにアスタを見た。
「魔力の乏しい下民の小虫が。
私はノエル・シルヴァ。この国の王族よ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 110人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レイ - 箒が放棄になってますよう (7月20日 14時) (
レス) @page16 id: 27b30402b9 (このIDを非表示/違反報告)
夏希 - きのさん» はい!楽しみにしてます！でも無理しない程度にしてきださいね? (2018年7月19日 16時) (レス) id: 9f5ed6db60 (このIDを非表示/違反報告)
きの(プロフ) - コメントありがとうございます。ナカゲノのカイコクさんかっこいいですよね。更新頑張ります！ (2018年7月18日 9時) (レス) id: aa1d5f41b1 (このIDを非表示/違反報告)
夏希 - カイコクさん、カッコいい！面白いです!ナカゲノもブラクロも好きな私には堪りません。更新頑張ってください♪楽しみにしてます！ (2018年7月17日 2時) (レス) id: 9f5ed6db60 (このIDを非表示/違反報告)
@ - オリジナルフラグを外さないなら違反報告するまでだ。ルールを理解する気も守る気もないなら作品なんか作んな (2018年6月24日 13時) (レス) id: 3cfe8e2fd1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：きの | 作成日時：2018年6月23日 2時
