【原神】恋に落ちたその日から【ディルック】 (ページ4)

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エンジェルズシェアページ4

『応急処置をしましたが医療の専門の方に出来るだけ早く診てもらった方がよろしいかと』

「ありがとう。本当に感謝するよ。君は、本当に命の恩人だ」

『そんな……私は通り掛かっただけですので』

「良ければお返しがしたいんだ。是非一緒に来てくれないか」

『それほど大層なことはしていませんよ。お気になさらず』

「いいや、手当てして貰った身で言うのもなんだがお願いだ。そのまま何も返さず別れるのは気が引けてしまう」

『……そこまで、仰るなら』

少女は他者からの頼み事には滅法弱い。

言われるがまま男性と共にモンド城に行くことになってしまった。

「お待たせ。悪いね診てもらうのに待たせちゃって」

モンド城に着いた頃には昼をとっくに過ぎており、今は陽が落ち暗くなる頃であった。

『お怪我は順調に治りそうですか？』

「二週間もあれば傷跡も残さず完治だそうだ」

『良かったです。安心致しました』

少女は怪我の様子を見て安堵の息を吐いた。

実は男性は致命傷にも繋がる怪我であったが、少女が治癒の力を使っていた。

少女は自らがテイワットの神であり、その力を使った事を打ち明けることはない。

「君はお酒は飲める？……はは、やっぱり年齢的に無理だ『飲めます』……え？飲めるの？」

少女はその反応を見てまた勘違いされていると胸の内で苦笑した。

『私が言うのもなんですが、これでも結構歳はいっていますよ』

「ええ……？」

男性からは少女が成人しているようには見えず少し疑うように目を向ける。

「そこまで言うなら……僕の奢りで是非紹介したい店があってね。エンジェルズシェアという店なんだ」

『確かアカツキワイナリーが開設した酒場ですよね。気になっていましたが行ったことはないですね』

「お、知ってたのか。そこの酒が本当に美味しくって」

『あ、お高いなら私はあまり……』

「そんなに遠慮しないでくれ。なんせ君は命の恩人だからね、こんなのお返しの一ミリにもならないよ」

少女はそこまでして貰う必要はないと謙遜した。

しかし、少女は連れられてエンジェルズシェアに足を踏み入れる。