【原神】恋に落ちたその日から【ディルック】 (ページ19)

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心配ページ19

「…大丈夫かい？」

『っ！』

時刻はもうすでに深夜。

エンジェルズシェアも客がまばらになってくるような頃であった。

「今日の君は何か上の空だ。」

『っ…ごめんなさい。仕事に専念します。』

「怒ってるわけじゃないよ。」

ディルックは奥から椅子を持ってくるとAのそばに置いた。

「休むと良い。今は客も少ない。」

『っ…ありがとうございます…』

Aは頭を下げて椅子に座った。

人間にはもちろんなれず、神でさえなりきれていない。

打ち明ける事も出来ず、Aは自分自身が何かさえ分からない。

『お客様。』

「ん？どうしたんだ？」

『お願いなのですが今二階にいるオーナーが降りてきたら私が少し外に出ている事を言ってくださいませんか。』

「いいぜ！」

『お客様なのに申し訳ないです。よろしくお願いします。』

今のAにはディルックの優しさがかえって苦しくなるのだった。

Aは逃げるようにエンジェルズシェアを出る。

エンジェルズシェアの裏に行くと人は誰もいなかった。

思わずしゃがみこんでしまう。

すると何に安心したのか、涙が溢れて止まらなくなった。