【原神】恋に落ちたその日から【ディルック】 (ページ6)

今日:13 hit、昨日:21 hit、合計:27,860 hit

闇夜の英雄ページ6

歌い終わるとあまりにもシーンと静かになる。

やってしまったかとAが思ったが予想以上に盛大な拍手で包まれた。

「俺、もう本当に感動した……！」

「君はもしかするとバーバラ様を越えるかもしれないぞ！」

「よおしこれを機に酒を飲むぞおお！」

「おおおお！」

思っていた展開にならずに済み、また盛り上がる店内。

Aはほっと胸を撫で下ろした。

「ここを頼む」

そんな声がしたかと思えば赤髪のオーナーはどこかへ出かけるようだった。

何故かAは目で追っていた。

何か悪い気配を感じる。

Aはよく危機迫るような事が起こる気配を感じやすい体質であった。

それは神の座についた時からである。

『すみません。私少しここから離れます。また戻ってきますので』

「了解したよ」

奢ってもらう男性に声をかけた後、赤髪のオーナーを尾行することにした。

赤髪のオーナーを尾行するAは気配を消し、布を深く被る。

真っ暗闇の中、月の光だけが頼りであった。

そんな中を目的地があるのか尾行する相手は真っ直ぐと歩いていく。

Aは何のためにこんな場所へ？と思いながら様子を伺っていた。

その時だった。

「やはり、ヒルチャールか」

赤髪の人の前には多くのヒルチャールが。

大変な事になったと思いAは片手剣を握る。

だが、自分の役目を忘れてはいけない。

自らここに来たという事はそれなりの覚悟があるということだろう。

神がまだ出る出番ではない。

しかし心配は必要なかったようだ。

赤髪の人は月明かりの下、赤い炎を舞うかのように操り、見事ヒルチャール達を殲滅した。

ああ、この子はあの『闇夜の英雄』か。

Aはモンドにそんな噂がある事を男性の診察の待ち時間に聞いていた。

いつの間にか強く握っていた片手剣から手を離す。

神の出る出番はなしということか。

そのような事を思っていた矢先だった。