九十四粒 ページ7
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部屋に入ってお財布を取って深呼吸をする。
すぅ…
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「はぁ、しんどい」
ここまで来てやっと一致した私の頭と言葉。
正直これが大丈夫だなんて言えないけどとりあえず一致した。
もう既にころんくんも出かけただろうし、私も出かけよう。
そう思い私はガチャリとドアを開けた。
なのに何故か彼はまだそこに居たのだ。
なぜ！？
驚きすぎて、思いっきり目を見開いた後ズッコケる。
狭いスペースで尻もちをついた。
痛い。
するとまた「えぇ？」と不満そうにする彼。
「もう、またお化け見たみたいな反応してズッコケて…」だなんて言いながら近づいてくる。
「大丈夫？ほら」
と差し出された手の意味が分からずぼーっとしている私を見て、「ほら立って」と私の手を引っ張り起こしてくれた。
え、え、推しに触れてしまった…
もうショートしている私の頭。
そんな私に彼はこう言った。
「…あのさ、ごめんね」
って。
「え？」
わけがわからず聞き返した私に対して彼は続ける。
「あの日僕も焦っちゃってて、握手もできなかったから」
そう言って手を差し出してくる彼。
今度はなんだろう。
と、はてなを浮かべる。
「あー、ほら、握手！」
何もしない私の手がぎゅっと掘られる。
照れてそっぽを向く彼。
自分の手を見ると私とあまり変わらないサイズの可愛くて柔らかい推しの手があって。
そう、推しの手があって。
推し…推しの……
…プシューー…
「…ねー、聞いてる？あのー？
お、おーーい？？」
反応を見せない私のことを心配そうに見てくる彼。
そんな私は彼に呼ばれてハッと気を取り戻した。
「あ、あ、あの！私こそ全然いいこと言えなくって！！ごめんなさい！！！」
「その、握手！ありがとうございました…！！！！」
頭がいっぱいいっぱいで。
思いっきり頭を下げて全速力で階段を駆け下りた。
駅までの道を走りながら手で頬に触れる。
冷めない。
どうしよう。
うぅ、今日もうちょっと寒かったらよかったのに。
全然頬の熱が冷めないよ。
暖かい春の日和では私の頬の熱は冷めることが無かった。
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ゆぅる - しゅうくさんは読者をキュンキュンさせる天才ですか？？ (2021年12月6日 22時) (
レス) @page11 id: b4dee99bf3 (このIDを非表示/違反報告)
しゅうく(プロフ) - ゆあもんさん» ゆあもんさん…！！神ではないですよ！？でも頑張りますね！ありがとうございます！！ (2020年5月17日 11時) (レス) id: 547af1fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆあもん - しゅうくさん神ですか？私毎回読ませていただいてます！もうねこの作品は神です！これからも応援するので頑張ってください！ (2020年5月9日 12時) (レス) id: 9253ce94df (このIDを非表示/違反報告)
シキ(プロフ) - しゅうくさん» 全然です！！ご自分のペースで更新されてください！いつまでも待ってます！ (2020年4月20日 14時) (レス) id: 3de2eab1b1 (このIDを非表示/違反報告)
あやの♪(プロフ) - しゅうくさん» 応援してます！(^^) (2020年4月19日 22時) (レス) id: 5ba2df906e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しゅうく | 作成日時：2020年3月17日 23時
