私、拾ったからには面倒見ます【すとぷり】

五十五粒 ページ15

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「いーや、全く気づかなかったけど別にもういいかなって。
お前を今引き離したところであの失態は取り戻せないし」







と頭をかきながら苦笑する桜田さん。
本気なのかネタなのか、あのことを引っ張り出してきた彼に私も笑いが零れた。





あの失態とはきっと酔いつぶれて未成年とカラオケボックスで一夜を過ごしてしまったことだと思う。



私も気にしていなかったわけではないけど、桜田さんの方が心にきていた？らしく最近はご飯に行ってもあまり酔わなくなった気がする。







「あー、あの夜のことですか？」







だからやんわりと答えたつもりだった。








「お前、忘れてたんじゃなかったのか？」







がしかし、思いっきり食いついてきた彼。






そうだ、１回ジムで聞かれた時はなんの事か分からなかったんだよなぁ。







思い出しちゃいました。
てへ。





だなんて言うと頭を抑える彼。
ちょっと面白いので私はもう少しからかおうかな、だなんて思って聞いた。







「あの一夜のことですよね？」








しかしその言葉を聞いていたのは桜田さんだけではなかったようだ。









「何その一夜って」








過去にないほど2人の息があった気がする。



ばっと声のした方を見た。









「「もりさん！？」」







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