四十四粒 ページ2
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森さんが私に近づきたかった。
確かに彼はそう言った。
「元々いい子だなーって思ったから近づいたんだよ。
それじゃダメかな」
私の事をいい子だなんて言ってくれる彼。
「でも…」
「リスナーなのに…って思ってる?」
ズバリと言いたかったことを当てられて頷くことしかできない私。
「んー、そうだねー。
でも俺も随分と悪い大人だから何も言えないんだよね」
あははと頬をかく森さん。
全くわけがわからないという私に気付いたのか彼がひとつひとつ説明してくれた。
「なんかお人好しそうな子だったし、面倒見ちゃう子なのかなぁなんて思ったから」
お礼たくさん持って行ったら申し訳ないって思ってくれるかなって。
もう少し俺のこと気にしてくれるのかなぁ、なんてね。
眉を下げてごめんねと笑う彼。
確かに私はこれじゃあ割に合わないと思った。
それは確かに。
その時、そっくりさんでも仲良くなりたいとか、そういうやましい気持ちがなかったわけじゃない。
でも確かに申し訳ないなって思ってしまった。
つまり私は森さんの手の上で転がされていたの…?
この可愛い可愛い言っていた森さんは、しっかりちゃんと大人で。
「ほら、ご飯冷めちゃうよー」
やっぱり、かわいい人だった。
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しゅうく(プロフ) - ゆにぃさん» ありがとうございます(´;ω;`)やっと幸せにまとまりました…! (2020年3月17日 23時) (レス) id: 547af1fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ゆにぃ - え、泣きました() (2020年3月17日 20時) (レス) id: 68d7e1f8f1 (このIDを非表示/違反報告)
しゅうく(プロフ) - ハルカさん» わー!ごめんなさい…こんなシリアスシーンに…ご指摘ありがとうございます! (2020年3月14日 20時) (レス) id: 547af1fa67 (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - すみません私も誤字してしまいました (2020年3月14日 20時) (レス) id: 796bfd041b (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - 誤字です痛いところを疲れた思った となってます さっきなんて、なんで となってます (2020年3月14日 20時) (レス) id: 796bfd041b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しゅうく | 作成日時:2020年2月19日 23時