Lφve Rainbow【Kaito.T】

12 ページ12

高橋くんがアワアワしながらもバッグを置き、適当に制服を腕まくりしながら作業を始める。


けど子供たちに質問責めにされて、なぜかしどろもどろになっていた。





『ねぇ！！麦茶！！！』




海「ぅえっ！！怒られた！！」




『モタモタしてたら幼稚園バス来ちゃうでしょ！？！？』





冷蔵庫に残っていた使いかけの野菜と肉で作った焼きうどんが完成した頃、外に大型バスが停まる音がした。




『あ、ヤバい！』




菜箸を放り出して表に出て、ちっちゃい制服姿の末っ子を受け取る。




『ありがとうございましたぁ〜！』



手を繋いでバスを見送ると、抱っこして家へと入る。




「あれっ、だれぇ！？おねえちゃんのかれし！？」



細い2本の三つ編みを揺らしながら、舌っ足らずな声で生意気なことを言ってくる5歳児。




『違う！！友達！！！すぐ帰るから！！
高橋くん！！洗面所でその子の手ぇ洗って、うがいさせて！！』




海「えっ！？どうやって！？！？」




『まだ届かないから、抱っこして洗わせるの！！』





おずおずと近寄って行った高橋くんに、末っ子が両手をバンザイして「抱っこ」ポーズをしている。



そーっと壊れ物みたいに抱き上げる高橋くんは、なんだかちょっと微笑ましい。




けどまんまと任務は失敗して、2人ともしっかりびしょ濡れになって戻って来た。




まぁちょっと予想していたので怒るほどでも無い。



末っ子を制服から私服に着替えさせて、高橋くんにはタオルを投げておく。





そしてやっとテーブルの上に並んだフライパン2つ分の焼きうどんは、10分もしないうちに消えてなくなった。









海「…イリュージョーーン………」




『高橋くん、早く食べないと狙われるよ。』




海「えぇっ……サバイバル……」




ドン引きしてるおぼっちゃまを尻目に、奥の個室に引っ込んで手早く着替えを済ませる。




お皿は上の弟が洗っておいてくれるはずなので、朝登校前に干した洗濯物をチェックして乾いているものは取り込む。



畳むのは時間があるときにまとめてでいい。
死にゃしない。



台所の方へ戻って無くなりかけてた麦茶を新たに作り、2度目の洗濯機を回す。




『高橋くん！私、買い物行ってくるから、みんなと留守番しててね！！』




海「えーーーー！？！？」

13→←11

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す