Lφve Rainbow【Kaito.T】

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『ただいまぁ〜！』




声をかけると、奥からたくさんの「おかえりー！」が聞こえて来る。




結局ここまでついて来た高橋くんが、ワイワイした声にビクッと細い肩を震わせた。




『どうぞ、あがって。』




大きな目を見開きながらも、高橋くんは躊躇いがちに靴を脱いでいた。


きちんと振り返って、ピカピカに磨かれたローファーを揃えている。



…やっぱ、おぼっちゃまなのかな。
いかにもそんな感じ。なんかお金持ちだって噂も聞いたことある気がするし。




短い廊下を進んで台所に入り、その辺の椅子の背もたれにスクールバッグを引っ掛ける。




「お姉ちゃん、お腹空いた！！」




『はいはい、今日は給食無かったもんね。
みんな終業式だったでしょ？通知表は？もらった？』




「そうそう、俺ヤバいよ！！」




『どっちのヤバい…？』




「いい方！！」




『嘘！凄いじゃん！！』




争うように渡して来る小学生組の通知表を1枚ずつ受け取りながら、ハタと気付く。



あれっ…高橋くんは？



そーっと廊下を覗いたら、そこでそのままフリーズしてた。




『…入りなよ。』




海「…だって…何人いるの？」




『小学生は3人。5年、3年、1年。
このあと幼稚園の末っ子が帰って来るから、そしたら4人。』




海「てことは、トータルで…」




『私が1番上だから、5人キョウダイ。』




高橋くんが口をぱくぱくさせてるけど、そんなボーッとさせてもらえると思ったら大間違いだ。




「誰々！？！？この人誰！？！？」


「えっ、まさかお姉ちゃんの彼氏！？！？」




『違う。同級生なだけ。』




「すげー、なんかキラキラしててアイドルみたい！！」



「いい匂いする！！」




『匂い嗅いでないで、テーブルの上片付けて！！お昼作るから！！』




「はぁ〜い」と気の抜けた返事が返って来て、3人がゾロゾロとコタツの方へ散って行く。




海「…もう春なのに、おコタあるの？」




『…しまうの面倒なんだもん。』




制服のジャケットを脱いで手早く手を洗い、冷蔵庫の中へ頭を突っ込む。




『高橋くん！！ボーッとしてないで台拭きでテーブル拭いて、人数分の麦茶淹れて！！』





海「えぇっ…俺ぇ！？」




『当たり前でしょ、貴重な人手なんだから！』

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