SHE! HER! HER! 【REN】

おまけのおまけ 2 side...KAITO ページ45

「ねぇ海人！聞いてる！？」





考え事を咎めるように、目の前から刺々しい声が響いて来た。



萎えるなぁ。



でも今日のライブの後は、この女を抱かなきゃいけないんだろーな。

どーせあんたの目的は、音楽よりそっちだろ？



あーあ。
なんか、ウリでもしてるよーな気分だわ。





…Aさんは良かったな。




そーゆー「見返り」みたいなの一切無しで
ただただ優しく受け入れてくれてさ。




本当は�猗犹瓠蹐砲覆蠅燭�ったけど、焦って失うのはもっとゴメンだったから


自ら「トランプのジョーカー」になることで、勝負からの離脱を選んだ。






アイツに幸せにしてもらうなら、それでもいいよ。



でもさ。




幸せしかない恋なんて、ありえないと思わない？






「そろそろ行こうか！」




向かいの席から椅子を引く音が聞こえた、




その時。






ブブブブブ...





ジーパンのポケットからの振動音。



胸騒ぎがして、断りもせずに画面を確認する。





海「…………ごめん、ちょっと用事入っちゃった。」





「えぇっ！？！？」




ほとんど悲鳴のような金切り声が聞こえて来た。




「だ、だって！！どんだけ苦労して今日のチケット取ったと思ってんの！？
冬に引っ越したばっかりでお金無いって言うから、代金だってこっち持ちなのに！！」




ねぇ。


可愛いメイクが台無しだよ？


せっかく編み込んだ茶色い髪も
フワッフワのピンクのスカートも台無し。




ま、最初からそんな目眩しのメッキなんて



どーでもいーんだけどさ。





海「ごめんね！急用なんだ。
何よりも�犧罵ダ茵蹐痢弔諭�」





まだ何か喚いてる女の子をお店に残したまま、
コーヒー代も払わずに道路へと飛び出す。





つりあがる口角をなかなか抑えられないまま、弾む足取りで駅へ歩き出すと




ゆっくりと、スマホを耳にあてた。








【END】

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