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69話
北根壊との全面戦争から、一週間が経った。
秋から冬に変わる澄み切った11月の空。
街で起きていた学生の喧嘩や問題事はぱったりと姿を消した。
開久が北根壊の生徒たちを牽制してるのもあるが、彼ら自身が問題事を起こさなくなったのが大きいだろう。
「ひーまーだぁ」
「「………………」」
欠伸を噛み殺し、伸びをする三橋。
俺は伊藤と顔を見合わせると、やれやれと呆れながら下校中の足を進めた
カメレオン
「理子ちゃん忙しそうだな」
「目指すところ千葉大だからね。相当勉強頑張ってるよ」
「偉ぇな。…それに比べて三橋は」
東大に行くだの何だのペラこいて。
本気じゃないから、受験生が追い込むこの時期に呑気な欠伸をかましちゃってる。
「伊藤は？今日は京子ちゃんとデートじゃないのか」
「明美ちゃんたちと勉強会だって断られちまった」
「フーン…」
彼女たちも進学するんだ。
ちょっと意外だったな。
そんなことを思いながらちらりと伊藤を見る。
その視線に気づいた彼は顔を顰めた。
「なんだよ」
「君は追わないの？」
「…一瞬考えたケド、将来性無しで進学するのって学費払ってもらう親に申し訳ねぇかなーって」
「そう」
君の家って結構裕福な方じゃなかったっけ。
金持ちはお金の心配しないものだと思ってた。
「じゃあ働くんだ」
「多分そうなる。あんまやりてー仕事とか思い浮かばないんだよな。危機感ないって親には怒られたけど。…三橋の隣居てっと、そこら辺の感覚狂う」
それはなんとなく分かる。
「いっそ二人で仕事探しの旅にでも出たらどうだ？家元を離れば必然的に金が必要になるだろ。日雇いで色んな仕事をしてみるといい」
伊藤は少し考えるような仕草をして、ポツリと「なるほどな」と呟いた。
「オメーは？卒業後は若頭だろ。増々お近づきになりにくいな」
「よく言うよ。10年後も変わらず俺の事蹴っ飛ばすくせに」
そんな未来しか見えないって言ったら、伊藤はプハッと笑った。
「そりゃ三橋だけだろ」
俺そんな暴力的じゃねーしって。
まぁ、それもそうだな。
俺は前を歩く三橋の背中を見つめた。
(なんとなくだけど、10年後も彼らは一緒につるんでそうだな)
理子ちゃんと京子ちゃんを巻き込んで。
ニコニコ笑い合ってそう。
当の本人は後ろで話題のネタにされているとも気づかず、呑気にボーッと本屋の方を見ている。
なんだ。新刊でも出たのか？
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます！ろ、六週目ですと！？なんと素敵なんだぬんさん！とっても嬉しいです〜！最近ｼﾘｱｽばかりでｷｭﾝｷｭﾝ要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…！引き続き頑張りますね！ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (
レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます！！！！！ (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2022年11月2日 17時
