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助けてやりたいが、動けない。
誰だコイツ…！
「Aちゃ〜ん？お待たせ」
「柳…っ」
「今だ！かかれ！」
柳に気を取られている間に、前から北根壊の不良たちがかかってくる。
仕方なく柳の腕に体重を乗せて足を浮かせると、思いっきり両足で蹴り飛ばした。
「どはぁ！！」
ドサァ…
「おぉー動くねぇ」
「どう………もっ！」
頭突きをくらわしてやろうと思ったのに逃げられた。
おかげで羽交い締めは解けたけど。
「チッ、逃げるなよ」
「おいおい仲良くしようぜ。股掴んだ仲だろ？」
「股掴んだのは君だけだろ。…その手やめろなんかイヤだ」
掴む仕草をする柳に顔をしかめる。
…何考えてんだこの男。
もう俺が女だって知ってるだろうに、やっぱりデリカシーがないな。
「オラ死ね！」
「！」
ドスッ、バキ！
不意打ちで横から突っ込んできた不良を肘で打ち、蹴り飛ばす。
そしてもう一人無策に突っ込んできた奴は踵落としで仕留めた。
「強いねぇー。なんで開久にいなかったの」
「軟高が一番家に近かったから」
これ、前にも誰かに質問されたな…誰だっけ。
「あっはははは！適当〜」
「………………」
柳は愉快そうに笑いながら手を叩く。
俺が顔を顰めると、それに気が付いて口元を上げる。
「フーン、鬼のくせに人間臭くて中々いいじゃん。AAちゃん」
―――ブンッ！
「うおっ」
柳に向けた蹴りが避けられる。
「名前、呼ばないで」
「なんで。どうせこの場にいる全員、正体知ってんだろ？」
「“君に”呼ばれたくないの」
そのまま3発メリケンをぶち込んだ。
2発は顔面に入って3発目は止められて、鼻血を出したままニタリと笑う。
「つーかまーえたァ」
語尾にハートでもつきそうなその声色に、思わず眉間にシワを寄せる。
反対の拳で殴りかかろうとしたが、それすらも掴まれた。
「どうする？あと足しかないぜ」
「蹴って欲しいなら蹴るけど」
この男、無鉄砲というか無謀というか…。
最悪攻撃が当たっても構わないという動きが俺に似て気に喰わない。
腕を動かそうにもビクともしないな。
踏ん張って押し退けようにも、やはり力業には勝てないらしい。
ジリジリと押し負けて、ドンとコンクリートの冷たい壁に背中が当たった。
「力無いねぇ。女の子だもんねぇ。…あぁ、だからメリケンやら仕込み靴やらに頼ってるのか」
「………………」
「ヒヒッ、睨んでも怖くねぇよ？」
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます！ろ、六週目ですと！？なんと素敵なんだぬんさん！とっても嬉しいです〜！最近ｼﾘｱｽばかりでｷｭﾝｷｭﾝ要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…！引き続き頑張りますね！ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (
レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます！！！！！ (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒のコ屋 | 作成日時：2022年11月2日 17時
