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「「おらああああ!!!!」」
ドンッ!
拳がぶつかり合う。
次いで二撃、三撃と拳を打ち合うと、大嶽は智司の背中に一発、智司は大嶽の顎に一発入れた。
「A!」
智司が大嶽を殴り飛ばして振り返る。
「他の奴らを頼む!」
「わかった」
彼が大嶽とのやり合いに集中できるよう、周りの不良たちを片付けていく。
数が劣るのを承知して挑んだ喧嘩だが、減る気配がないのはやる気が削がれるな。
「テメェ調子乗ってんじゃねーぞ!!」
バキッ!
「叫びながら攻撃すると威力減るよ」
大雑把な蹴りを避けてメリケンをブッ込むと次に向かう。
まぁしかし皆、威勢だけはいっちょ前だな。
どんどん手際よく伸しているところに、理子ちゃんが同じく不良たちを倒しながら背中を合わせてきた。
「ダンソウメイくん平気!?」
「平気」
「さっき体の大きな人とやり合ってたじゃない」
「智司が代わってくれた。体格差酷いから助かったよ…」
ため息をつきながら、北根壊の生徒を蹴り上げる。
理子ちゃんは攻撃を裏拳で弾いて肘を打った。
「そう!やっぱり愛の力ね!」
「…君、こういう話になるとすごく目が輝くよね」
可愛んだけど。
「伊藤ちゃんから聞いたんだけど、三ちゃんナイフが怖くて来てないんだって」
「いつもの事じゃん」
ヤクザが怖いだの銃が怖いだの。
「大丈夫だよ。どうせ現れるから」
「え?」
ガツッ ドサァ…
「ここに来るよ、絶対」
切り良く相手していた男を殴り終わって、振り返る。
理子ちゃんは一瞬驚いた顔をしたけれど、すぐにえへへと笑って見せた。
「お見通しなのね」
「まぁ…流石に1年付き合ってればね」
「そっか!」
「…なんで笑ってんの?」
「ううん、なんでも!」
彼女の笑顔はたまに、とても余計なことを考えていそうな気がして不安になる。
「言っとくけど、別に以心伝心してるとかそういうのじゃないからね」
「ふふふ」
「理子ちゃん…?」
「なぁに?」
(あ、これ全然俺の言葉聞いてないやつだ)
まぁいいけど。
小さくため息を吐きながら向けた視線の先に、劣勢になっている開久の岸田を見つけて駆け出す。
飛び蹴りを入れて助けると、理子ちゃんとはそこで別れて傍にいた北根壊の不良を数名倒す。
「お、鬼のA…」
「立てる?」
「うっ…悪ィ」
引っ張り起こしていたところに突然、後ろから誰かに羽交い締めにされた。
「っ!?」
「A!!」
岸田が手を伸ばしたところで、横から北根壊の襲撃を食らう。
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黒のコ屋(プロフ) - ぬんさん» ご感想ありがとうございます!ろ、六週目ですと!?なんと素敵なんだぬんさん!とっても嬉しいです〜!最近シリアスばかりでキュンキュン要素が不足しておりますが、需要があれば番外編とかでたくさん作りたい…!引き続き頑張りますね!ありがとうございました^^ (2023年1月19日 11時) (レス) id: ec11750d33 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん(プロフ) - 神作品をありがとうございます……(;´༎ຶٹ༎ຶ`)現在六週目です。相良くんと片桐くんにキュンキュンしながら見てます(ง ◜௰◝ )ว応援してます!!!!! (2023年1月17日 7時) (レス) @page45 id: 06c201b8c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒のコ屋 | 作成日時:2022年11月2日 17時