いつかのあの7日間 ページ39
＊
最終選別 当日＿＿＿…
玄関前には俺が父上に入隊祝いで貰った羽織を纏い
緊張したような面持ちの小芭内が立っていた
『刀は持ったか』
「俺の腰にささっているだろう」
『包帯の替えと傷薬は…』
「多過ぎるほどにある」
『体調は…』
「良好だ」
『……死ぬなよ…絶対…生きて戻れ』
「言われるまでもない」
『…そうだな。鏑丸…小芭内を頼んだぞ』
「ｼｬｧｰ」
『そうか。それは心強い』
「わかるのか」
『いや全く』
「……………行ってくる」
『無理はするな…生きて帰ればそれで良い』
小芭内は屋敷を振り返ることなく選別会場に向かって行った
1日目＿＿＿
「銀柱さま…如何されましたか」
『今日から弟子が最終選別なんだ』
「それはそれは…心配でございますね」
『……彼奴なら…大丈夫だろう』
3日目＿＿
『隠ｯ‼小芭内を見なかったか⁉何処にも居ないんだ‼』
「…先日 最終選別に行ったと言われませんでしたか？」
『……そういえばそうだったな…
仕方がない…蕎麦でも食べて気長に待つか…』
「………」(汗)
5日目＿＿
『………』ｽﾞｩｰﾝ
「……銀柱さま…？お加減でも悪いのですか？」(汗)
『小芭内がいなくなって…もう数十年は経つか…』
「経ってません」
7日目＿＿…
今日 小芭内が帰ってくる…
無事だろうか？怪我はしてないだろうか？
ただ…生きて帰って来てくれれば十分だ
ｶﾞﾗｶﾞﾗｶﾞﾗｯ
引戸の開く音がした
普段は立てないような 大きな足音を立てながら玄関に向かった
今なら 父上や母上 杏寿郎の気持ちがわかる
早く身の無事を確認したい
その一心で玄関に急いだ
『小芭内ｯ‼』
「……師範…ただいま戻りました」
小芭内は疲れ切った顔だ
あの7日間を乗り越え帰ってきた
『よく戻ったな…小芭内……』
俺よりもだいぶ下にある頭を撫でて
そのまま軽く抱擁した
また…失うのではないかと 何度考え 振り払ったことか
安堵から涙が出てきた
肩が微かに震えているのは小芭内も気付いているだろう
それでも なにも言わずに抱き締められていた
いつそんな気遣いが出来る奴になったんだ…
涙が収まり 離れたとき小芭内の顔が引きつった
「師範 如何したんですか⁉
その目元の隈は何事ですか
任務が多忙だったんですか
今夜はもう休んでください、早く部屋に…」
…何処かで聞いた言葉だな
『湯浴みして 疲れを取ってこい
とろろ昆布を用意してある』
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ゆぎ(プロフ) - 雨色の水滴さん» ありがとうございます！頑張って考えた甲斐がありました。他の話も書いてるので是非！これからも応援よろしくお願いします!! (2021年6月9日 2時) (
レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
雨色の水滴 - 轟君かっこよすぎー！！後、技名のセンスが凄いです尊敬します。（真顔） (2021年6月8日 20時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぎ(プロフ) - とこよさん» いや…ちゃんと見たらアレで良いんでした…水の呼吸の横水車的なくくりです。 (2021年4月18日 23時) (レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆぎ(プロフ) - とこよさん» あ"！ホントだ…ありがとうございます！気づかなかった… (2021年4月18日 23時) (レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
とこよ - 陸ノ舞の後にある、銀世界・告鳥って〇ノ舞とかつかないんですか？ (2021年4月18日 9時) (レス) id: 1a67d02ee8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆぎ | 作成日時：2020年5月27日 14時
