いつかのあの弟子 ページ38
＊
周りの環境がガラリと変わった
友の訃報を聞いた
いつの間にか身長も伸びて目線が高い
父上に貰った羽織も もう小さい
似た羽織を買わなくてはな…
銀柱の座についたことで お館様から屋敷を与えられた
父上や兄弟たちが心配だが 頻繁に顔を出すつもりだから大丈夫だろうと 煉獄屋敷を後にした
その時小芭内に言われた
"兄さん…俺は普通には生きられない…
俺は…人を殺して私腹を肥やす汚い血族の人間なんだ
だけど もし…鬼殺隊に入隊して 誰かの為に命をかけられたら…
自分が少し"いいもの"に感じられるんだ
だから…銀柱さま 俺に剣を教えて下さい
お願いします…"
小芭内が言った…後にも先にも 最初で最後の我儘だった
小芭内には腕力がない
頸は斬れるだろうが
炎の呼吸と風の呼吸では確実に身体を壊すだろう
だから俺は鬼殺隊士の多くが使う
水の呼吸を教えることにした
凡庸性が高く 極めればそれなりの威力が出せるようになる
そう思い 小芭内を
まずは体力をつけるところから始めた
任務の合間を縫って 敷地の周りを一緒に走ったり
一緒に素振りをしたり…
弟子に迎えて1年ほど経っただろうか
体力をある程度つき 呼吸の習得に移った
壱の型から拾の型まで…
何度試しても 小芭内に水の呼吸の適性はなかった……
「やはり俺には…人を救けることすら許されない……か」
『…新しい呼吸 作るか』
「は…？」
『呼吸に適性がないくらいで諦めるなよ
俺だって炎と水の適性はねぇし
自分に合う呼吸を自分で作った…
俺に出来んならお前にも出来るだろ
自分の呼吸を派生させろ
それさえ出来ればお前は隊士になれる』
この日から 小芭内のための呼吸作りが始まった
だが 此処から先 俺が助言してやれることはあまりない
呼吸を作るということは
その人にあった呼吸に作り替えるということだ
技の良し悪しは使い手にしかわからないし
違和感も手応えも 掴むのはその人だ
此処からは小芭内自身で乗り越える必要がある
『…お前は太刀筋がよく曲がる……それを活かせるように
極めれば誰にも負けないお前だけの武器になる』
やはり弟子は可愛いものだ…
少しの助言くらいしたってバチは当たらないだろう
さらに1年間…悪戦苦闘しながらも
小芭内は水の呼吸から蛇の呼吸を派生させ
荒削りだが 自分の長所を最大限活かせる呼吸を確立した
……そろそろ最終選別に送り出しても大丈夫だろう
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ゆぎ(プロフ) - 雨色の水滴さん» ありがとうございます！頑張って考えた甲斐がありました。他の話も書いてるので是非！これからも応援よろしくお願いします!! (2021年6月9日 2時) (
レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
雨色の水滴 - 轟君かっこよすぎー！！後、技名のセンスが凄いです尊敬します。（真顔） (2021年6月8日 20時) (レス) id: 5a0f0dfb22 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぎ(プロフ) - とこよさん» いや…ちゃんと見たらアレで良いんでした…水の呼吸の横水車的なくくりです。 (2021年4月18日 23時) (レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
ゆぎ(プロフ) - とこよさん» あ"！ホントだ…ありがとうございます！気づかなかった… (2021年4月18日 23時) (レス) id: 0bf1aaca6b (このIDを非表示/違反報告)
とこよ - 陸ノ舞の後にある、銀世界・告鳥って〇ノ舞とかつかないんですか？ (2021年4月18日 9時) (レス) id: 1a67d02ee8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆぎ | 作成日時：2020年5月27日 14時
