禁 恋 -second- 【文スト】

禁【４８】 ページ21

敦side

谷「ナオミ矢っ張り社に戻るンだ」

ナ「嫌よ。ナオミも捜索を手伝うわ こんな時に兄様と離れたくない」

谷崎さんとナオミちゃんが言い合っている時

微かに「『人虎』」と呼ばれた気がした


本当に微かではあったが確かに聞こえた

辺りを見回すが呼んだような人物はいない


(気の所為か)

ナ「ねぇ敦さんそうでしょ？」

敦「え！？あ、まあ、」

何のことだかさっぱりだが反射的に答えてしまった

谷「敦君、君と違って妹には異能が無いンだ
足を引っ張る」


ちょっときつく言いすぎなんじゃないのかな、と思うが谷崎さんはナオミちゃんが心配で言っているんだ

ナ「何よ兄様 ナオミの云う事は何でも聞くと云ったじゃな」

谷崎さんがギョッとした顔をする


…このふたりについてはもう何も検索しないようにしよう



谷「き 昨日の夜のアレはお前が無理矢理…！」

と、そこまで言うとハッとして赤くなっている谷崎さん

それを見てドヤァとしているナオミちゃん


敦「？」

まあ、深く考えても無駄かな



谷「……何でもありません」

谷「と……兎に角！事務員は社に戻るンだ！」

信号が青になった循環走り出した谷崎さんを追いかけるように僕もついていく

ナ「あらあら何なら昨日の懇願を思い出させてあ」


突然、ナオミちゃんの声がしなくなり、振り返るが




谷「……ナオミ？」



そこに




敦「……真逆」

谷「ナオミッ！？」


ナオミちゃんはいなかった。

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