キミハカルマ （中）

高校生編 55 ページ7

紫耀side


廉の高校に初めてきた。
グラウンドに車を止めたタイミングで岸くんから電話がある。


『紫耀！どこにいるんだよ！女優さんから苦情の電話あったぞ！つか、仕事！！』
「俺今関西なんだよ。廉連れて車で帰るから、ごめん、今日の仕事は全部キャンセルしといて」
『はぁあ？』
「じゃ、よろしく」


岸くんはまだ何か言ってるけど、電話を切る。
校内に入ろうと思ったら、廉が姿を現した。


よかった、ちゃんといた…



つか、また痩せた？



顔色も悪いじゃねーか。



だから嫌なんだ、離れて暮らすなんて。



「廉、帰るぞ」



約束やぶったのは廉なのに、首を横に振られる。
肩で息して辛そうで。
それでも頼ってくれない。
距離をつめて、廉の前に立つ。身長伸びすぎ。やり辛いけど…


「う、わっ！」
「暴れるなよ」


膝と脇に腕を入れて、廉をお姫様だっこする。突然のことに驚いた廉は、自然と俺の首に腕を回してきた。


「お前、熱あるだろ。まずは病院だな。しんどいなら、車より飛行機にするか？」
「…っ、下ろせやっ、恥ずかしいやろ！」


足をばたつかせて抵抗する廉だけど、抵抗が弱っちい。恥ずかしいって…まぁ、確かに窓からこっち見る外野が多いか。
廉に素直さを期待するのは辞めて、校舎に背を向ける。とっとと帰ろう。
廉を助手席に乗せ、自分も乗った。


そこへ、「すいませんっ！」と声がかかる。一瞥すると、見たことある顔が。
そいつが何か言うより先に、


「廉の荷物、まとめてくれる？住所とかは神に聞いて送って」

それ以上用はないのでアクセルを踏む。
廉はしんどいのか、観念したのか、目を閉じて浅い呼吸を繰り返していた。





東京に着くまで、廉は何も喋らなかった。








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はい、というわけで、夏休みスタートです！
やっとがっつり、紫耀さんターン！
神さんは自力で風邪治します(笑)


「紫耀さん学校に現る」は書き始めたばかりの頃に頂いた読者様からの案です。
ここまでが長すぎて、まだ読んでくださってるのか謎なんですが(^^;)
思ったよりカッコよく書けませんでした…

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