高校生編 79 ページ31
side廉
“俺は明日あっちに戻るけど…廉は？一緒に戻る？”
明日は兄貴と大学の話をして…
終われば2人ですることもないし。
もともと早く戻りたかったんだし。
けど、即答できなかった。
「はぁ…」
浴室にため息が反響する。
“あと、廉、ごめん。付き合ってること紫耀に言ったから。なんか言われるかも…”
俺は神にどんな顔を向けてたんやろ。
変な顔してへんかったかな。
左手にはめた指輪が鉛みたいに重く感じる。
胃もキリキリとした。
髪を乾かしていると、ガチャッと扉の開く音がした。
指輪、外した方がええかな。見たらなんか言われるよな…。いや、見なくても言われるか。
知ってるんやから。
「…おかえり」
玄関に行くと、兄貴が玄関の扉に寄りかかっていた。
俺の声に反応して、顔が上がる。
厚い唇が弧を描いた。
赤らんだ顔と色っぽい目。
フラフラ揺れる身体が近づいてくる。
どうしていいかわからず、後ろに逃げようとしたのと、兄貴の温もりに包まれるのが同時で。
廊下の壁に背中が当たる。重心を失ってる兄貴の身体を抱きとめ、なんとか踏ん張る。
ぴったりと密着した身体からお酒のにおいがする。熱い息が、肩にかかる。
全身がゾクリと泡立って。
思わず兄貴の服を強く握りしめた。
「…れん」
「お酒…飲んだん？」
返事はない。
寝たん？と思ったとき、ダンッと、兄貴の左手が、俺の顔の横の壁を殴った。
「ごめんな…」
それは、何の謝罪やったんやろ。
首筋に強い痛みが走って、そこを舌で舐められる。
たぶん、神の付けたキスマークを噛まれた。
抗議しようとしたのに、兄貴の身体が糸が切れたようにのしかかってきて、床に2人倒れ込む。
抱きしめてるのか、抱きしめられてるのか分からない態勢で、兄貴の寝息が聞こえてきた。
「…ガチか」
一瞬何かを期待した自分を誤魔化すように、笑ってみた。乾いた笑いに虚しくなる。
「なにやってんねん…ほんま」
ああ、でも
今なら誰も見てへん。
誰も聞いてへん。
「ごめんな……紫耀」
最初で最後やからと
指輪にも言い訳をして
赤い唇に触れた
やめとけばよかったーーなんて。
はじめから分かってたくせに。
触れるだけのキスに、1人勝手に涙が溢れて止まらへんかった。
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不破銀ちゃん(プロフ) - minamiii817さん» いえいえ！毎回コメントでも全然大丈夫ですよ（笑）嬉しいです(^^)海人くんも笑顔でラストになるよう頑張ります！ (2019年6月26日 12時) (
レス) id: 834990f38c (このIDを非表示/違反報告)
不破銀ちゃん(プロフ) - はるかなたさん» ほわほわでヒモ体質が基本な海ちゃんだけど（え？）、廉くんには唯一男を見せてくれる。みたいな妄想があって（笑）海ちゃんはやれる男です！廉くんの最大の味方だと思ってます（なんの話・笑） (2019年6月26日 10時) (レス) id: 834990f38c (このIDを非表示/違反報告)
minamiii817(プロフ) - 海くん（；＿；）やっぱり廉くんのことずっとみてるとわかっちゃうんですね、、切ないです、、連続でコメントしてしまい申し訳ないです。海くん大好きです、幸せになってほしい。 (2019年6月25日 8時) (レス) id: b6e6edd003 (このIDを非表示/違反報告)
はるかなた(プロフ) - やっぱり、海ちゃんも気づいてたんだ！海ちゃんなめんな！ですね(笑)ついつい普段のほわほわ海ちゃんが抜けなくて。そっか、うなじにキスで。それだけ二人には独特の雰囲気があったんだろうなぁ。そして、片想いじゃないよって言ってあげたい、かぁ。海ちゃん、えらい！ (2019年6月25日 6時) (レス) id: 0cd17894e4 (このIDを非表示/違反報告)
不破銀ちゃん(プロフ) - minamiii817さん» ありがとうございます(^^)はやく、しょうれんイチャイチャしないのかなぁと、書いて本人も思ってます（笑）みんながもう一踏ん張りして、4人でハッピーエンドを目指します！ (2019年6月24日 12時) (レス) id: 834990f38c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：不破銀ちゃん
| 作成日時：2019年5月16日 0時
