高校生編 75 ページ27
廉side
目がさめると朝やった。
身体中が痛くて、なかなか起き上がれん。
「……やば」
声もガラガラや。
壁をつたってリビングへ。
兄貴、もう行ったんかな…
この2週間くらい、「おはよう」「おやすみ」だけはちゃんと言えるように頑張った。岸さんに時間を確認して、何とかそれに合わせとった。
そんな細やかな会話に、兄貴が眩しいくらいの笑顔をくれたから、応えたかった。
今日は早なったんかな…。
まぁ、明日は兄貴も休みやし。
やっと…
うん？
汚れ？
何も置いてないシンクに、拭き取りそこねた様な、伸びて薄い黒っぽい痕…
「おはよーっ！廉くん！」
「…ぅわ！！」
「え、ちょっと廉くん大丈夫！？」
完全1人だった世界に大声がきたもんで、驚いてバランスを崩した。
シンクを掴んでなんとか転けるのは免れたけど…
「…おはよう、岸さん」
「廉くんどしたのっ！声ガラガラじゃんか！風邪！？」
「いや、あはは」
昨日激しく抱いてもらいました、とは言えへん。
身体に力を入れて立ち上がる。シンクをぐっと掴んだ掌に、茶色というか黒というか…
「……岸さん、兄貴どっか怪我しとった？」
「へっえ！？」
「いや、なんか…血？」
「あ、いや、そうだなっ、カットバン貼ってたかなっ！？夕飯作ってて手切ったとか、ははっ」
「…そうなんや」
「あれ？廉くん、首…蚊に刺されてるよ」
「ほんまっすか？あ、今から準備するんで待ってくださいね」
身体の鈍さに慣れるまで時間がかかる。岸さんに待ってもらいながら、身支度をすませる。
「キスマークやん…」
首にハッキリと残った痕。
これって隠せるんか？
今日の撮影場所に送ってもらう。
後部座席に座って、シートベルトをしようとした時、さし口近くのシートに薄っすら黒いシミが…
兄貴…の？
胸に言い様のない不安が広がる。
「廉くん、着いたよ」
「あっ、はい！」
ボーッと考えとったら撮影場所に着いた。
岸さんがスタッフさんたちに挨拶をする。
今日は初めから玉森さんがいた。岸さんが玉森さんに何やら頭を下げてる。
岸さんが場を離れてから、玉森さんに話しかけた。
「おはようございます！昨日はありがとうございました！これ、使わなかったんでお返ししますっ」
両手で1万円を差し出す。間があって、玉森さんが受け取ってくれる。
浴衣を着ての撮影が始まった。
玉森さんと少しだけ会話が出来て、
少しだけ首筋に視線を感じた。
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不破銀ちゃん(プロフ) - minamiii817さん» いえいえ！毎回コメントでも全然大丈夫ですよ（笑）嬉しいです(^^)海人くんも笑顔でラストになるよう頑張ります！ (2019年6月26日 12時) (
レス) id: 834990f38c (このIDを非表示/違反報告)
不破銀ちゃん(プロフ) - はるかなたさん» ほわほわでヒモ体質が基本な海ちゃんだけど（え？）、廉くんには唯一男を見せてくれる。みたいな妄想があって（笑）海ちゃんはやれる男です！廉くんの最大の味方だと思ってます（なんの話・笑） (2019年6月26日 10時) (レス) id: 834990f38c (このIDを非表示/違反報告)
minamiii817(プロフ) - 海くん（；＿；）やっぱり廉くんのことずっとみてるとわかっちゃうんですね、、切ないです、、連続でコメントしてしまい申し訳ないです。海くん大好きです、幸せになってほしい。 (2019年6月25日 8時) (レス) id: b6e6edd003 (このIDを非表示/違反報告)
はるかなた(プロフ) - やっぱり、海ちゃんも気づいてたんだ！海ちゃんなめんな！ですね(笑)ついつい普段のほわほわ海ちゃんが抜けなくて。そっか、うなじにキスで。それだけ二人には独特の雰囲気があったんだろうなぁ。そして、片想いじゃないよって言ってあげたい、かぁ。海ちゃん、えらい！ (2019年6月25日 6時) (レス) id: 0cd17894e4 (このIDを非表示/違反報告)
不破銀ちゃん(プロフ) - minamiii817さん» ありがとうございます(^^)はやく、しょうれんイチャイチャしないのかなぁと、書いて本人も思ってます（笑）みんながもう一踏ん張りして、4人でハッピーエンドを目指します！ (2019年6月24日 12時) (レス) id: 834990f38c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：不破銀ちゃん
| 作成日時：2019年5月16日 0時
