キミハカルマ （中）

高校生編 51 ページ3

神side



俺の所に来ようとしたーーそう考えて寮までの道のりを走った。



いない…



段々と雨は止んで風だけになる。
何度もケータイをかけるけど繋がらない。ついには発信音もしなくなって…


どこで何してんだよっ
どうして寮を出たんだよ、台風だぞっ


今度はマンションまで戻って周辺を探す。
濡れた身体に風は冷たい。
早く見つけないとっ



「先生っ！！」



声がした方を見れば、高橋がいた。
考える間も無く足が動いて、高橋の胸ぐらを掴む。


「お前っ、廉になにした！！」
「ーーっ」



ぎっと睨みつける。
潤んだ高橋の瞳が、強く閉じられる。そして、



「言っちゃったんだっ、廉にっ、一緒に、一緒にいると………ヤりたくなるってっ、俺…廉が好きで…ごめんなさいっ…っ」
「……バカやろっ！」



手を離して、鬱陶しく張り付く前髪をかき上げる。
項垂れる高橋に言葉をかける余裕もなく、また走り出す。


廉は、高橋から離れるために寮を出た。絶対に俺の所に来ようとしたはず。


でも来なかった。
事故とか？
いや、街にそんな様子はなかった。



俺の所まで来たとして…



たどり着けなかった理由は？



「……最悪だろっ」



元カノを見たのか…



俺の部屋から出てくる元カノを見て、廉は何を思ったんだろう



腹を立ててくれたならそれでいい



俺を嫌ってくれてもいい




お前が泣いてなかったら



それでいいから…




どこにいるんだよ廉っ！！

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