【ゴールデンカムイ】旅路の果てに見たもの伍 (ページ20)

今日:6 hit、昨日:21 hit、合計:73,816 hit

舎房の構造ページ20

.

『尾形さん...』

杉元「イナンクルさん、アイツの事なんて気にしなくていいよ」

『ですが......』

少なくとも私は尾形さんの事も
みなさんの事も信頼している

だからこそ...

杉元「で、監房にいるのっぺら坊の目は本当に青いのか?」

門倉「目の色?さあ...」

門倉「そう見えなくもないが...どうだろうな」

杉元「7年間のっぺら坊を見てきてそりゃねえだろ」

門倉「その娘だって近くで見て青いかな(・・・・)?って感じだぜ?」

門倉「隣の嬢ちゃんくらい薄くて青かったら分かったかもな」

私くらい...

門倉「なぁ嬢ちゃん」

『は、はい...』

門倉「本当に綺麗な顔してるよな...」

『え...』

杉元「おい...」

杉元さんは門倉ニㇱパを睨みつける

門倉「だいたいジロジロ見てたら犬童典獄に怪しまれるし...」

門倉「看守の中じゃ俺は一番の古株だ」

門倉「集団脱獄のあと、関与の疑いがある看守はほとんど追い出されたのに俺だけ残ったのは...」

門倉「俺が無能で無関心のボンクラタヌキを演じてたからさ」

演じていた...
門倉ニㇱパは知っていたからあえて...

知っていた(・・・・・)?

杉元「門倉さん、この舎房の構造について教えてくれ」

門倉「これは五翼放射状平屋舎房といって、700人以上の囚徒を収監できる建築物だ」

門倉「放射状に広がる5つの舎房の中央には、全体を1箇所から見通せるように六角形の中央見張り所(・・・・・・)がある」

門倉「舎房の夜勤は3人...」

門倉「作戦決行の夜は俺も3人の内のひとりとして当直に入るよう仕組んでおく」

門倉「勤務表を決める管理職だからできることだ」

杉元「門倉さんが当直なら舎房の入口の鍵を開けとけば?」

杉元「合鍵作っとくのもありだが...」

門倉「無理だ、入口は見張り所の真ん中だ」

門倉「あそこから忍び込むのは危険すぎる」

杉元「じゃあ俺たちが押し入って他の看守を制圧するから開けとけよ」

門倉「抵抗されて一発でも銃声が響けば作戦は失敗だぞ」

杉元「門倉が看守の銃に小細工しとけば?」

門倉「出来ねえな、常に凶悪犯に囲まれてる看守たちがお守りみたいに持ってる銃だ」

杉元「出来ねえじゃねえ...やるんだよ」

門倉「ああ?」

杉元さんと門倉ニㇱパは睨み合っている
いつ喧嘩が始まってもおかしくない...

.