【ゴールデンカムイ】旅路の果てに見たもの肆 (ページ35)

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ボッケページ35

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私たちは身支度を整え
屈斜路湖のコタンに別れを告げた

杉元「チッ...結局尾形が優しい奴だったって事かよ...」

杉元「気に食わねえ...」

アシㇼパ「見直したぞ尾形!!」

あの後何とか誤解を解くことが出来た
勘違いさせてしまったのは悪いと思ったけど...

杉元さん...起きていたのなら
話しかけてくれても良かったのに...

アシㇼパ「イナンクル」

話しかけにくい理由でもあったのかな
みんなを起こしてしまうから話しかけなかったのだと思うけど...

杉元「イナンクルさん?」

でも...起きてたってことは
私たちの会話も聞いていたはずじゃ...

アシㇼパ「イナンクル、大丈夫か?」

『...え?』

杉元「さっきから話しかけてるのに全然反応しないから...」

『あ...本当ですか...?』

杉元「悩み事?」

『いいえ、何でもありませんよ。』

深刻な悩みじゃないから...

白石「うおッ!!熱ッ!!」

杉元「どうした?」

白石「なんか急に足元が熱くてよ...」

インカㇻマッ「この辺りは泥火山という噴気孔が数か所あります。」

『ボッケの近くを通ってしまったのでしょうね。』

白石「ボッケ?」

アシㇼパ「ボッケとは熱い(・・)、煮えたぎる(・・・・・)という意味だ。」

『気をつけてください。』

杉元「イナンクルさんも気をつけて。」

『あっ...』

突然杉元さんに手を引かれたと思ったら
私がいた近くにボッケがあった

『すみません...不注意でした。』

『自分で言っていたのにも関わらず...』

杉元「イナンクルさん、昨日は足怪我してたよね。」

『どうしてそれを?』

杉元「白石から聞いたんだ。」

杉元「何ともなさそうだったから聞かなかったけど...」

杉元「最近不注意だと思って...」

『そう...ですよね...』

最近不注意...か...
確かにそうかもしれない

怪我してばっかりだなぁ私...

杉元「もしかしてそれが悩み?」

『最近不注意なのは自覚していました。』

『皆さんの手当をする事しかできませんのに...』

『私が怪我をしてしまっては元も子もないです...』

怪我をして助けられてばかり
もっと気をつけないと...

杉元「そんな事ないよ。」

杉元「イナンクルさんはイナンクルさんのできる範囲で頑張ってくれればいいんだ。」

『できる範囲で良いのですか?』

杉元「それだけで充分だよ。」

杉元さんは私の頭を優しく撫でてくれた

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