【ゴールデンカムイ】旅路の果てに見たもの肆 (ページ9)

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エチンケページ9

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青い空

白い雲

寄せては返す波の音

燦燦照りの浜辺

ザバァァァン!!

...「「「海だあああッ!!」」」...

私たちは海辺のコタンに住む
フチの15番目の妹の元を訪れていた

波打ち際まで来ると杉元さんのかけ声で
皆で手を繋ぎ、砂浜の上で飛び跳ねた

杉元「海に来るとしたくなるんだよなぁ～」

『楽しいですね!!』

アシㇼパ「天気も良いから気持ちいいな!!」

心地よい潮風が私たちに吹き付ける
海に来るのは久しぶりだ

白石「尾形ちゃんも一緒にすれば良かったのにな～」

私たちが楽しんでいるのに尾形さんは
楽しむ私たちの傍観者になってしまった

『尾形さんも誘いましょう。』

白石「そうだね。」

私は白石さんと一緒に尾形さんの元へ行く

『尾形さん!!』

『尾形さんも一緒にやりましょう?』

『楽しいですよ!!』

尾形「くだらん...」

白石「一緒にしようよ尾形ちゃん!!」

尾形「...」

尾形さんを誘ってみるも
無視をされてしまった

杉元「白石、イナンクルさん、放っておけ。」

『ですが...』

白石「行こうか、イナンクルちゃん。」

『あっ...』

私は白石さんに手を引かれて
杉元さんとアシㇼパの元に戻った

大叔母「アシㇼパ!!イナンクル!!」

大叔母「エチンケ!!エチンケ!!」

杉元「婆ちゃん何だって?」

『エチンケがいるみたいです。』

アシㇼパ「エチンケは海亀のことだ。」

『頭を出して呼吸をしているのが遠くに見えたそうです。』

アシㇼパ「大叔母の旦那さんの舟で獲りに行かないかって言ってる。」

白石「海亀漁?」

白石「わざわざそんなことしなくてもインカㇻマッちゃんに奢ってもらおうぜ?」

インカㇻマッ「!!」ﾋﾞｸｯ

白石さん...
インカㇻマッさんが引いてる...

杉元「アシㇼパさん海亀食べたいの?」

杉元「どうしてもってわけじゃないならやめよう?」

アシㇼパ「海亀は海を司る翁(アトゥイコㇿエカシ)ともいわれている。」

アシㇼパ「海亀は私たちが海で獲るカムイの中で一番大切にされてるカムイなんだ。」

杉元「シャチじゃなくて?」

『シャチ(レプンカムイ)は海で一番偉いカムイですが、レプンカムイは普段食べるためには獲りません。』

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