形勢逆転 ページ41
.
尾形「おい...」
『どうしました?』
尾形「...」
『ひゃ!?』
突然尾形さんは私の足を触った
慣れない感覚に思わず変な声が出る
『尾形さん...やめてください...』
私は尾形さんから離れようと身体を押すが
圧倒的な力の差がありビクともしなかった
『あっ...もう...離してください...!!』
尾形「静かにしないと居場所がバレるぞ。」
『それは尾形さんが...!!』
私が少し大きな声を出すと
尾形さんは私を離してくれた
『もう...居場所がバレてしまうじゃないですか...』
尾形「夜目が利くんだろ?」
尾形「奴らが周囲に居るかお前なら見えるだろ。」
『まあ...自信はありませんがそれなりに...』
私は辺りを見渡す
『周囲にはいません。』
『あ...盗賊の方たちに動きが見られます。』
『方向転換して奥の方へ進んでいるみたい...です。』
尾形「行くぞ。」
私たちも一定の距離を保ちながら同じ方向へ進む
『わっ...!!』
ドシャァ!!
尾形「どうした。」
『転んだだけです...!!』
尾形「気をつけろ。」
『はい...』
.
.
.
そして...
何も見えない暗闇の中を何時間動き回っただろう
気がつけば日の出まであと30分もなくなっていた
『尾形さん、もうすぐ日の出です。』
尾形「ああ。」
尾形さんは小銃を構えながらその時を待っている
『尾形さん、寒くないですか?』
尾形「何だ、寒いのか。」
『はい...』
尾形「温めてほしいのか?」
『いいえ、尾形さんは今は目の前の事に集中してください。』
『寒さは我慢できます。』
私がそう言うと尾形さんは優しく頭を撫でてくれた
『もうすぐ夜明けです。』
.
-夜明け-
バァン!!
尾形さんは200メートル程先にいる盗賊を撃ち抜いた
この銃声が形勢逆転の合図...
杉元さんや谷垣ニㇱパやキロランケニㇱパも動き出すはず
『尾形さん、その先に3人います。』
尾形「そこか。」
バァン!!
尾形「チッ...」
尾形さんは頭に狙いを定めて撃つが
狙った頭を外してしまった
尾形「もう少し明るければ外さなかった...」
カサッ...
『尾形さん、向こうに3人走っていきました。』
『夜が明けてきたので本拠地へ戻るのでしょうね。』
尾形「行くぞ、走れるか?」
『はい。』
.
219人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:檜枝 | 作成日時:2020年5月25日 23時