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一寸先は... ページ5

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私は夜風を浴びに外へ出た
ニㇱパたちは酔っぱらってそのまま寝っている


物静かなコタンは少し寂しい
けれどこの寂しさがなんだかとても懐かしい...



谷垣「イナンクル。」


『谷垣ニㇱパ...』


『谷垣ニㇱパも夜風を浴びに来たのですか?』


谷垣「ああ、少しな。」



谷垣ニㇱパは私の隣に座った



谷垣「イナンクル...」


『はい。』


谷垣「杉元たちについて行って後悔はしていないか。」


『後悔ですか?』


谷垣「怪我を負っていたとはいえ、お前とフチとオソマには恐い思いをさせてしまった...」



谷垣ニㇱパは私たちの事をずっと気にして...



谷垣「お前は天涯孤独だとフチから聞いた。」


谷垣「だから俺はあの後、杉元にアシㇼパの傍にお前を置いて欲しいと頼んだ。」


谷垣「その方が良いと思った...」



フチ...
谷垣ニㇱパに話したんだ...



谷垣「だが...その選択でお前を苦しませたかもしれないと俺は後悔している。」


谷垣「もう自分の死を身近に感じること無く暮らせるのに...」


谷垣「俺が再び連れ戻してしまったようなものだ...」



もうあの頃のように
生きるか死ぬかの状況下で暮らしたくはない...


ここまで来るのに本当に色々な事があった
辛い思いも怪我もたくさんした


その分たくさんの人に出会えた
そして何時何時も仲間と一緒だった


でも...



『正直...怖かったです...』


『死んでしまうのではないかと...恐怖で心が張り裂けそうでした...』



まだ銃声が怖い時もある
死を覚悟するような事も何度もあった



『先程皆さんの前で言ったように、私はアシㇼパのように芯の強い人間ではありません。』


『私だったら帰るという選択をしていたかも知れません。』


『それでも...私は後悔はしていません。』


『私は自分の選択を間違ってはいないと思います。』



この旅はきっと私たちを真実へと導いてくれる
そして私たち自身を変えてくれるから



『なので、谷垣ニㇱパが私の事で気を病む必要はありませんよ。』


谷垣「ありがとう...」



この先どうなるかは誰にも分からない
だから進まないといけないんだよね


どんなに辛くても
前に進まないといけないんだよね...


フチ...



『ッ...すみません...弱みは見せたくなかったのですが...』


『涙が止まりません...』


谷垣「イナンクル、泣きたい時に泣いた方がいい。」


『はい...』



ずっと我慢してきたけど
私は少しだけ悲し涙を流す事にした





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設定タグ:ゴールデンカムイ , アニメ , 愛され   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:檜枝 | 作成日時:2020年5月25日 23時

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