仕切り直そうか ページ21
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杉元「じゃあ、そろそろ行こうか。」
『はい。』
私たちは荷物をまとめて番屋の外へ出た
外へ出ると辺りは薄らと明るくなっていて
バッタの姿はもう見えなかった
白石「ね、ねぇイナンクルちゃん?」
『はい。』
白石「寝起きで歩くのは危ないから手繋ごう?」
『手...ですか?』
白石さんは私の手を握ろうと私の方に手を伸ばす
杉元「白石ッ!!」
すると突然杉元さんが私と白石さんの手を掴んだ
杉元「あ...!!ごめんねイナンクルさん...」
『いいえ、大丈夫ですよ。』
『杉元さんも繋ぎますか?』
私は杉元さんと白石さんに手を差し伸べる
杉元(クソ...調子狂う...)
杉元「イナンクルさん...頼みがあるんだけど...」
『はい。』
杉元「思い切り俺の頬を殴ってくれッ!!」
『えッ!?』
杉元さんは私に頬を殴れと言った
頭まで下げて...本当に殴って欲しいのかな...
尾形「杉元、俺が殴ってやっても良いんだぜ?」
杉元「いや...イナンクルさんが良い。」
真剣な眼差しで私を見る杉元さん
『ほ...本当に良いのですか...?』
杉元「思い切り頼むッ!!」
『では...い、いきますッ!!』
私は杉元さんの頬を思い切り叩いた
パシンッ!!
杉元「...」
『ど...どうですか...?』
杉元「や...やさしい...」
杉元さんは正気を取り戻したみたいだ
良かったのかな...
他に違うやり方があったと思うけど...
杉元「よし...行くか。」
白石「すげえ...イナンクルちゃんのビンタで無理矢理自分を正気に戻しやがった...」
キロランケ「俺たちも仕切り直そう。」
私たちは一旦仕切り直して
アシㇼパとインカㇻマッさんを探しに行く
白石「ねえイナンクルちゃん。」
『はい。』
白石「暗いから転んだら危ないし、手を繋ごうよ。」
杉元「白石ッ!!」
杉元さんはまたもや私と白石さんの手を掴んだ
杉元「お前、キロランケに殴られるぞ!!」
白石「手を繋ぐのもダメなの?キロちゃん...」
キロランケ「白石はな。」
白石「ナニソレ酷いよキロちゃん!!」
白石「そうは思わない?尾形ちゃん!!」
尾形「...」
無視をされる白石さん
さすがにちょっと気の毒だ...
『白石さん、繋ぎましょう?』
皆には散々反対されたけど
私は白石さんと手を繋いで歩く
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作者名:檜枝 | 作成日時:2020年5月25日 23時