軍人さん ページ20
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やっぱり誰かが来ている
谷垣ニㇱパの声を聞くに只事ではなさそう...
声をかけても大丈夫かな...
『谷垣ニㇱパ?』
谷垣「!?」
谷垣ニㇱパと目が合った
とても焦った顔をしている...
嫌な予感がする...
『お客様がいらしているのですか?』
谷垣「イナンクル...ダメだ...」
『えっ?』
不穏な空気の中、そっと部屋を除くと
谷垣ニㇱパと同じ軍服を着た軍人さんが2人座っていた
軍人さんは私を見ると少し顔をゆがめた
谷垣(マズイ...2人はイナンクルを見て...)
『谷垣ニㇱパ?』
何があったかよくわからないけど
谷垣ニㇱパは2人の軍人さんから私を庇った
谷垣(どうにかしなければ...)
谷垣「尾形上等兵殿...」
谷垣「どうかこの人たちだけは...」
谷垣ニㇱパが軍人さんにそう頼むと
軍人さんはニコッと笑った
尾形「冗談だ。」
尾形「玉井伍長に関してはカマをかけてみた。」
尾形「お前は嘘が苦手なようだな谷垣。」
尾形「しばらくここで恩を返したいなら好きにしろ。」
尾形「見なかった事にしてやる。」
尾形「行くぞ二階堂。」
軍人さんは谷垣ニㇱパの肩を数回叩くと
もうひとりの軍人さんと一緒に居間を出ていく
尾形「ああそうだ、ところで...」
尾形「�猊垰狄箸凌�元�瓩鮓�たか?」
軍人さんはすれ違いざまに
�猊垰狄箸凌�元を見たか�瓩斑�垣ニㇱパに言った
軍人さんは谷垣ニㇱパの仲間で
杉元さんを探している...?
一体なんのために...
尾形「奴はアイヌの子供とつるんで刺青人皮を持っている。」
刺青人皮...
杉元さんが持っていた囚人の皮や、白石さんの身体に彫られていた変わった入れ墨の事だろう
尾形「俺が奴と出会った場所から一番近い村がここだ。」
杉元さんとアシㇼパが一緒にいた所を見てここへ来たという事は、この軍人さんは杉元さんとアシㇼパと接触しているのか...
谷垣「いいえ...」
谷垣ニㇱパは嘘をついた
尾形「そこのお嬢さん。」
『は...はい...』
尾形「杉元と名乗る日本人を見ましたか?」
谷垣ニㇱパは軍人さんから私を遠ざけた
谷垣ニㇱパが嘘をついてまで見ていないと言ったのには何か理由があるはず...
『いいえ、見ていません...』
尾形「そうですか。」
軍人さんは私の頭に軽く触れると
ニコッと笑ってチセを出て行った
谷垣(ここにはもういられない...)
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作者名：檜枝 | 作成日時：2020年3月9日 22時
