若衆 ページ17
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-夜-
杉元「若衆?」
私が薪を取りに外から居間へ戻ると
3人は何やら難しい話をしていた
白石「ニシン漁のために雇われた季節労働者だ、この時期色んな地方から人が集まる。」
白石「脱獄囚が潜伏するにはもってこいだろ?」
脱獄囚がニシン漁に...
白石「最近、あちこちの漁場で若衆が殺されているんだ。」
白石「犯人は辺見という男に間違いない。」
杉元「間違いないとなぜ言い切れる。」
杉元さんは白石さんに鋭い視線を向けた
白石「死体の背中には、共通した文字が刻まれているのさ。」
杉元「文字...」
文字と聞いた瞬間
アシㇼパと杉元さんは顔を合わせた
きっと見覚えがあるのだろう...
白石「奴にとって人殺しは息をするのと一緒なんだと。」
白石「見た目はごく普通の男なんだがなぁ...」
白石「奴の入れ墨には目の文字が入ってたなぁ」
杉元「目か...なるほどな。」
するとアシㇼパが
私が一番心配していた事を言ってくれた
アシㇼパ「叔父がその囚人に狙われないか心配だ...」
杉元「えっ?」
『叔父様達は今、海岸へ行っています。』
アシㇼパ「ニシンを追って海岸へ来たクジラを捕まえるためだ。」
杉元「クジラ?」
アシㇼパ「よし杉元、海へ行こう!!」
アシㇼパ「クジラを食べに!!」
杉元「アシㇼパさん!?」
アシㇼパはスっと立つと杉元さんに
�爛�ジラを食べに行こう�瓩噺世辰�
アシㇼパは本当に食べるのが好きなんだなぁ...
そう思うとちょっと怖い話をして空気の重かった部屋がフワリと和らいだ気がする
.
-翌日-
アシㇼパ「行くぞ杉元!!白石!!」
私がコタンへ行くと
朝からアシㇼパの元気な声が聞こえた
『朝からお出かけですか?』
杉元「さっそくアシㇼパさんの叔父さんたちのいる漁場に行くんだ。」
アシㇼパ「私たちはしばらくコタンを留守にする。」
『気をつけてくださいね。』
白石「イナンクルちゃんはお留守番かぁ〜」
私も行きたかったけど
谷垣ニㇱパが心配だから今回はお留守番だ
白石「え〜イナンクルちゃ〜ん...」
白石さんは私の腕に抱きついた
するとアシㇼパも私の腰に抱きつく
白石「イナンクルちゃん...」ｽﾘｽﾘ
アシㇼパ「シライシ離れろ...」ｽﾘｽﾘ
どうしてこんな事に...
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作者名：檜枝 | 作成日時：2020年3月9日 22時
