さよなら。 ページ43
『……ぁ、わ、たし、はな、せてます……か？』
……あぁ、くそったれ。
そんな顔されちゃあ、何も、言えねぇじゃねぇかぁ。
「あ"ぁ、しっかり話せてるぜぇ」
『!!……よ、かった。れ、ん……しゅう、したん、です』
わかってる。
「あ"ぁ」
その笑顔の裏で、どれほどのことを乗り越えてきたのか。どれほど頑張ってきたのか。そんな、小さな体で。すぐ、壊れてしまいそうな、そんな、弱い体で。
「A、もー来ねぇの？」
それは、初めて聞く、ベルの悲痛な声だった。
コイツのこと、気に入ってたからなぁ。
『……は、い。ぅ、べ、るさんも。た、くさん、ありが……とう、ございま、した…！』
笑う。綺麗に、優しく。Aは、笑った。
「……だって俺王子だし！めんどーみんのなんて朝飯前だかんなー！」
髪に隠れて目元は見えないが、恐らく浮かべられているであろう表情は容易に想像がつく。
『ご、めい、わくも……たくさん、かけました、けど……すみ、ません』
「そんなことないわよ!!」
謝罪の言葉を述べるAに、いち早くルッスーリアが反応した。……その声は、少しだけ湿っていた。
「お願いだからそんな悲しいこと言わないでちょうだい。私達も、あなたに会えて良かったと思ってるわ」
『!!……あ、りが、とうございま、す』
安堵したような、嬉しいような。そんな、顔。
『み、な、さん。ほ、んとうに、ありがとう、ございま、した…!!』
ニコリと。
それは、それはもう、綺麗に。
とびきりの笑顔を残して、Aは消えた。
＿＿時を同じくして。
どこか遠く、別の世界では。
誰かの終わりを告げる、無機質な機械音が響いていた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 112人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「リボーン」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
田螺(プロフ) - ミリアさん» ありがとうございます！銀魂は単行本を持っておらず、記憶違いが怖いので書けないかもしれません…リクエストの中で可能性が高いとすればやはりリボーンですかね！家族関係というものもいつか書いてみたいお題ではあります^^選択肢の一つとして考えてみます！ (2017年8月6日 21時) (
レス) id: 755aeb3c0d (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - すごく気に入った作品でしたもし他の作品を作る予定なら銀魂の作品で高杉か銀時の姉か妹の作品で家庭教ヒットマンリボーンかアニメKの世界にトリップした作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体にきよつけて更新頑張ってくださいね！ (2017年8月3日 16時) (レス) id: e3c7f73b1f (このIDを非表示/違反報告)
田螺@元金魚草(プロフ) - ノーノンさん» ありがとうございます！そんなに誉めても何もでませんよ((励みになります！頑張ります(｀･ω･´)ゞ (2015年8月31日 21時) (レス) id: 182f82b565 (このIDを非表示/違反報告)
ノーノン(プロフ) - 話と書き方がピンポイント過ぎて。もう…もう！((とにかく最高です！更新頑張って下さいっ！ (2015年8月31日 18時) (レス) id: c3b57de6d5 (このIDを非表示/違反報告)
田螺@元金魚草(プロフ) - ペテン師さん» うわぁぁ!?!?蘭にばかり気をとられていて間違いに気づきませんでしたっ！うっわ、その間違いは恥ずかしい！即なおしました！わざわざすみません、本当にありがとうございました!!! (2015年8月20日 1時) (レス) id: 182f82b565 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
