レオナさんはまだ知らない【twst】

01-Wake up ページ1

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先日のマジフト大会での事件後、相変わらず学園は賑やかで慌ただしい毎日が過ぎていた。

そして次の大きなイベントと言えば来週に予定されている期末テスト。
生徒達はいつも以上に気合いを入れ勉強している。





「＿…さん、レオナさん。授業終わったっスよ」

「……くぁ…」





＿だけどここに例外が一人。

何が楽しくて毎日授業終わりに自分の所の寮長を世話しなきゃいけないんだか。


いつものように植物園で寝転んでいた我が寮長は
大きな欠伸をしてまた寝る体制に入ろうとする。





「ちょっとちょっと、レオナさん！
良い加減にして下さいっス！
オレもうお腹ペコペコだっつーのに」

「おいラギー
食堂行くならメンチカツパン買ってこい」

「はあー？ アンタ本当変わんないっスね
けどそのお願いは聞けないっスよ」

「あ？」





オバブロして少しは丸くなったと思ったのに。
なんつー悪人面してんだ。

でもオレはこの人が一瞬で起き上がる術を最近覚えた。





「今日オレ、Aくんとランチの約束してるんで
レオナさんは連れて来るなって言われてるんス」

「……へぇ、良い度胸じゃねぇか」





オレがAくんの名前を出した途端、耳をピク、と動かして上体を起こすレオナさん。

　ほらね、言った通り。
何度叩き起こしても、引きずったって起きないレオナさんにだけに効く魔法の一言。


それが、Aくん。





「オレは忠告しましたからね！
Aくんに嫌われても知りませんよ！」

「心配しなくてもアイツが俺を嫌う日なんざ一生来ねえよ」

「どっから来るんスか、その自信……」





ふあ、とまたレオナさんの口から欠伸が飛び出す。
再三忠告しても聞く耳を持たないのでさっさと食堂に向かう事にした。

早く行かねえと。Aくん、一人にしちまってる。

Aくんは一人にするとすぐ絡まれるからなあ……。





「…あ、いたいた。Aくん！ …って、またか」





思った通り他寮の奴らに絡まれてる。

人気者でいつも周りに人が居るから、一人の時はこぞってAくんと話そうと生徒が囲む。


彼はサバナクローの寮生じゃないけど同じクラスのよしみとして情も生まれるんスよねえ。





「しょうがないなぁ…」

「＿おい」





やれやれと歩を進めようとした。
…が、オレよりも先に、後ろに居た筈のレオナさんがAくんの肩を掴んでいた。





(本当Aくんの事になると早えんスから)




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