狗巻棘の犬

犬２７匹 ページ28

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本家から駅に迎えの車が来てそれに乗り込む


駅から本家までの道のりも結構長いので、

腰が少し痛むのを気にした




棘くんは眠かったのか肩に頭を預けてきて、

そのまま眠りについてしまったのを確認した




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『棘様、本家です。起きてください』



親には本家や親族の前では従者として自覚を持てと

散々言われてきたので、自然と表情も口調も硬くなる




スイッチの切り替えはバッチリ



「ん、」


数十人の使用人さん達が列を成し腰を深く折って

迎え入れてくれた




ズラリと並んだ列の真ん中を歩くのは

やっぱり慣れないなぁと、ふと棘くんの方を見る


堂々と歩く姿は次期当主に相応しいな、って思った





『会集までまだ時間がありますが、

お休みなられますか?』



そう尋ねればコクンと頷き自室へ向かった



『時間になられましたらお呼び致します』





本家にいる時の棘くんはあまり話さない

だから学校でいっぱい喋ってる棘くんが見れて

私嬉しかったんだよ






『(帰りたいなぁ)』




こんなこと思うのは従者としてダメかなぁ…








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