[黄名子ちゃん]菜花黄名子なんて、大嫌いだ。[嫌いな人へ]～Ω3兄弟の逆襲(嘘)～!4! (ページ43)

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私176 ページ43

よっこらしょ、と言いながら立ち上がる私は、もう完全におばあちゃん。
まぁ、歳相応だって事で勘弁してもらおう。

さーて、何か面白そうな本は無いかなっと。

…あー、どれも嫌な予感しかしない。いいや、これで。
適当に一冊抜き取り、また椅子に座って本を読んだ。

『＿＿＿貴方が追いかけている彼は、もうこの世界には存在しません。
何故なら、この世界の彼と貴方の追いかけている彼は、別の時間軸の人間だからです。
だからといって、別の時間軸に行けば、貴方の大切な友人は死にます。
依存している貴方は、少しずつ友人を殺す道を選んでいきます。
友人はきっと、仕方ない、と笑顔で言うでしょう。
そして、貴方は、友人を＿＿＿』

悪寒がして、私は本を閉じた。

そんな、訳、ない。
私は確かにこの場所に依存している。この立ち位置が、生暖かくて、居心地が良くて＿＿＿
＿＿＿だけど、それは恋愛感情じゃない。
それは、必要としてくれる嬉しさからだ。
今、とても満たされている。
だから、別の時間軸に飛ぼうとなんて思わない。

…確かに、性格はほとんど違う。
それでも、彼は同一人物だ。
それに、親友が死ぬなんて、そんなの嫌に決まってる。
あの子の為なら命だって差し出せる。

だから、私が彼女を殺すような選択肢を選ぶ筈が無い。
そうだと、思いたかったのに。