私163 ページ30
私はふと気付いた。
…さっきさらっと仲間って言われたような。
「ってか今さらっと流したけど、仲間ではないからね?」
私がそう言うと、SARUは溜め息を吐いた。
そして、諦めたように言った。
「…知ってるよ。
仲間だったら頑張って仕事をしているチームメイトに平手打ちなんてする訳ないしね…
もう騙したりしても面白くはなさそうだから言うけど、Aは僕達の仲間ではないよ」
やっと、彼の口から誤解を解こうとする言葉が出た瞬間だった。
「あぁ、やっと本当の事言ってくれた!!」
私は嬉しくて思わず笑顔になる。
正直に話してくれるというのは嬉しい事だ。
「ではつまり、今までの事は全てこちら側の勘違いだったという事か」
「そうみたいですねー」
「疑いが晴れて良かったんじゃないかい?」
あれ、思いの外反応薄いな。
「もっと何か言おうよー」
そう言って一番近くに居たベータちゃんのほっぺをつんつんしようとした時の事。
向こうに歩き出そうとしたまさにその時、腕を掴まれた。
「…えっ」
周囲からもちらほらと驚いたような声が上がる。
三人も勿論驚いていた。
「仲間ではないけど…人質なのに変わりは無いからね。
次の戦いで勝てなければ、かえすつもりなんてないよ」
それ、「帰すつもり」っていう事?それとも「返すつもり」?あ、多分どっちもや…
そうだとしたら私、雷門の方々に自分の未来を委ねるしかないって事じゃないですかー…
うわっ、まじか。
「じゃ、Aは預かるから。」
まるで語尾に「♪」でもつきそうなくらいに機嫌良く言ったSARUは、そのまま私もろともワープした。
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ちょこ(プロフ) - あんずさん» うわああああ見られてたああああああ!!! …ありがとう (2015年1月2日 22時) (レス) id: c846c5f724 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - ちょこらしくて面白い! (2015年1月2日 22時) (レス) id: 8a9cfbb107 (このIDを非表示/違反報告)
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